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厨二病患者を弄ってみる。

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厨二病というのは、面倒なモノだ。世界の全てを敵だと思っているかのように牙をむき出しにしてくる。抱きしめるときにも、いつもヒヤヒヤしていたりするのだが。
しかしまぁ、そんなヤツを自分の手内に納めたときには歓喜の喜びに浸ることが出来る。実質、その歓喜を味わいたいが故にヤツを愛しているわけではないのだけれど、それもまた楽しみの一つである。
最近の俺の日課は、厨二病な彼奴を弄ることだ。弄る、と漢字で書くとなんだか性的に考えてしまうのであえて平仮名にしておくとしよう。俺は性的なものでも全くもって構わないのだが。
よし、話を戻そう。大体これは俺の心の中の話なのだから表示は関係無かった。読者が困ろうと、それは俺得なだけだ。むしろ困って欲しいくらい。
厨二病なヤツを弄る。あ、漢字になってしまった。決して、故意ではないのだ。そういうことにしておいてくれ。弄るには、少しばかりコツが必要だったりする。普通、弄る時にはおちょくったりするのだが、厨二病はそれではいけない。おちょくったり冷やかそうなどとすれば、「クッ…貴様は我の逆鱗に触れてしまったようだな…愚かな…」等と呟きながら片目を押さえ始める。此処まで来ると、面倒なだけだ。冷やかすのでもなく、云う暇を与えない。正確には、ヤツに羞恥を味合わせるというものだ。
例えば、ヤツは常に眼帯をしている。世間的に見れば目を怪我しているのだろうか、と親切にも心配してくれる人と。あぁ、イタい人だなと考える人が居る。本人はこれを格好いいと考えているらしい。それが厨二病の心理だ。
それに対して、「お前眼帯してて暑くないのか?蒸れたりしないのか?」と聞いてみる。
「暑くなどないわ、貴様等下衆とは違って温度の変化を気にせんからな」
人間としての矛盾が、既に生じているではないか。そこにも突っ込んでおきたいものだが、あえて放置するとしよう。
「なぁ、それ恥ずかしくないのか?」
「羞恥というモノを、我は感じたことがないが?」
「じゃあ、感じることはないのか?」
「我に羞恥などないわ」
此処までくれば、此方のものだ。後戻りはできない。
「それじゃあ、逆立ちしてワンと鳴いてくれ」
ここでヤツは漸く、ハメられた事に気がつく。目を見張ってから、眉間に皺を寄せた。明らかに不快にさせている。
「貴様…」
「羞恥は感じないんだろ?なら、やってみてくれよ」
此処でまたコツがあるのだが、頼むときは純粋な笑顔だ。ヤツ曰く、笑顔に弱いらしい。自分の弱点を自ら晒すとは、何処のMだろうか。
「…な…貴様、人間としてどうなのだ…」
「だってお前、温度の変化を感じないとか云ってたじゃねぇか。人間は残念ながら、回りの温度に適応した服装をしたりしてるわけだから、温度は関係するんだ。感じてるわけ。でもなぁ、お前は人間じゃないんだから…別に良いだろ?」
満面の笑顔。
ヤツは折れたように溜息をついた。
「仕方があるまい…」
壁際に立って、女子生徒も居る教室の中で逆立ちをしてみせた。友人と話し込んでいた女子達の視線がヤツに釘付けになる。こんな事にもしも自分がなっていたらと考えただけで、羞恥で死ねる。
「ど、どうだッ…下衆め、してやったぞ…」
今にも崩れ落ちそうに震えている。
「下衆とか蔑んでた俺の命令を聞くんだなー」
頼み事ではなく、命令。厨二病の高いプライドが一言で崩れ去った。
「き…貴様ぁぁぁぁ!」
逆立ちをしている状態で激怒されたところで、何も怖くない。
ちらり、と視線を腹部にやった。
「なぁ、」
「なんだ」
「腹、見えてるんだけどー?」
屈んでから、わき腹に手を差し込む。小さく「ヒッ…」と息を呑む音が聞こえた。
「こちょこちょー」
おかしな擬音を口にしながらくすぐってやると、ヤツは「いひゃあああああ」とか叫びながら床にそのまま崩れ落ちた。

本当に、アイツを弄るのは楽しい。

何よりも、かわいい。