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笑え99回 ~神様への99日の日記~

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笑え99回
  ~神への99日の日記~
8月の始め、ミンミンゼミ、クマゼミ、などのセミの大合唱が鳴りやまず、暑さが増す中、「春樹」の病弾が爆発する。

≪カチャン≫
と耳に残る音が食卓に響いた。何事も厳しい父、総也。ひとつひとつが細かい母、佐奈。わがままばかりの末っ子、ももこ。全員の目が春樹に移った。春樹は、箸を置き、お腹を押さえている。すぐにトイレに駆け込んでいった。「熱中症」「夏バテ」夏といえば、このようなものが疑われる。熱中症の症状はめまい、失神、頭痛、吐き気、気分が悪くなる、体温が高くなる、異常な発汗などだ。きっと、熱中症であろう。そう思った。
でも、春樹はいつも運が悪い。階段から落ちたり、ドアで指を挟み、動かなくなったり(奇跡的に治ったが)とにかく、運が悪い。母は、念のため春樹を車に乗せ、いつもの総合病院に急いだ。まだ、朝だから、空いていた。診察結果が出た。残念ながら熱中症でも、夏バテでもなかった。先生に、「しばらく入院して、様子を見ましょう。」と言われ、とりあえず、1週間入院することになった。これで、中井家は一段と忙しくなった。総也は、治療費などを支払うため、毎日働き、佐奈は、ももこを保育園に連れていき家事をし、病院に行く。このような生活がしばらく続くことになった。しかし、何故かみんなうまくいかない。総也は、仕事でミスをし、佐奈は食器をわったり、保育園の迎えをわすれて、ももこは友だちと喧嘩をし。春樹は、病態が悪くなる一方であった。それによる、ストレスがたまっていった。
「春樹君、おねつはかってみようか。」                       看護師が病室に入ってき、体温計を渡した。                     ≪ピピピピッ、ピピピピッ≫                           体温計が、なった。「37.2」看護師は、メモをし春樹に布団をかぶせた。おとなしくしてろという事であろう。春樹にも分かった。                     「微熱ね。んまぁー、静かに過ごしてね。」                      そう言い残し、病室を後にした。春樹は、看護師が、ちゃんと行った事を確認し、マクラの下からあるものを取りだした。それは、「日記」だった。その日記は、母が買ってきたものだった。自分で、日付と、出来事を書く欄がある。春樹は早速ペンを走らせた。
「8月5日:入院一日目。今日は、早起きをしました。そして、体温をはかりました。すると、微熱でした。でも、僕は元気です。しんどくもありません。早く、家に帰りたいです。病院で出るご飯より、家で皆で食べるご飯の方が、絶対おいしいです。でも残すといつまでたっても病気は治らないってお母さんが言ったから、全部頑張って食べました。後、6日、こんな日々が続くと思えば悲しくなります。でも、どんなに痛い注射でも我慢して、早く病気を治そうと思います。」
春樹は、書き終えた後しおりを挿みまた、マクラの下に入れた。春樹は、誰にも見せたくなかったからだ。
次の日の朝。いつもどうり、体温を計った。いつもより、熱がなかった。春樹は、そこから、ある行動に出る。ずっと、ベッドに横になってても面白くない。ちょっとぐい・・・誰もいないのをしっかり、確認し・・・脱走した。
(急がなきゃ。)
走ってはいけないと言われていたのに走ってしまった。