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察人姫-第壱話-

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「……普通寝るか?」
「さっきまでは起きてたんですけどね……」
 技術室の大きな机の下で、硬い床の上で気持ち良さそうに眠るソラにユーイチと藤村はどうしたものかと顔を見合わせる。
「にしても案外イイ体してんな」
「チビのくせに……ね」
 無理に起こすのも悪いくらい気持ち良さそうなソラを二人はどうすることもできず、様子を伺いながら雑談をする。
 ソラは身長こそ百五十に満たないものの、出るところは出ており、スタイルはかなり良い。
「昼間見た感じだと……Eあるんじゃね?」
「もうワンランクありますよ」
「マジか……どうなんだ?」
「どうなんだ……とは?」
「だから感触だよ……付き合ってんだろ?」
「いえ、別に」
 ソラとユーイチ。二人の関係は今の藤村のように、ひどく誤解されやすい。
 二人の関係は幼い頃から幼馴染みの親友のままで、そこに先輩と後輩などが付け足されることはあっても、断じて恋人ではない。
「へえ、じゃあヤってもないんだな……」
「……」
「おい、否定しろよ
「そろそろ起こしましょうか。さすがに深夜雑談して終わりってのはイヤすぎます」
 気になる様子の藤村に対してユーイチは誤魔化すようにソラの頬をペシペシと叩く。だがそれでも起きず、やむ無しといった様子でソラの鼻をつまむと……
「ぷはっ!」
「うわ、きたね……さっさと起きろ」
 さすがに起きるソラ。その代償としてユーイチの手には唾のような何かがベタリ。
 だが、まだ覚醒には至ってないようで、ユーイチはその手をソラの服で拭ってからデコピンを一発。
 そうしてやっと目を覚ますソラだった。

 

作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司