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察人姫-第壱話-

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 保澄学園第一体育館。
 外の設備が豪華なら中の設備も豪華で、保澄学園には三つの体育館があるが、中でも一番広く、シャワールームやロッカールームなど、大会でも使われることもあるのが第一体育館、別名メイン81である。
 この体育館では土日祝日は一般開放(レンタル利用)されているが、平日の放課後は一昨年に全国制覇を成し遂げるなど、最も功績の目立つ男子バスケットボール部の専用練習場となっている。
「あ、もう練習始まってるね」
「さすが強豪だな」
「……ねえ、バスケって何人でやるんだっけ?」
「詳しくは知らねえけど、試合に出てプレーできるのは五人だな」
「……いま何人くらいいる?」
「控えめに見ても五十は越えてるな」
「さすが強豪だね」
 二階の観客席で練習を眺めるユーイチとソラ。
 ボールの跳ねる音、かけ声、コーチの怒声しか聞こえないこの体育館の雰囲気はピリピリしており、とてもじゃないが聞き込みなどではないと二人は思いながらも口には出さず、見学を続ける。
「まさか本当に来てるなんて……」
 そんな二人に声をかける少年が一人。
 腕に“生徒会長”と書かれた腕章をつけた短い黒髪で爽やかな印象を与える男子生徒……佐伯中。
「やほ、アタル」
「姉さん、前に来るなって言わなかったっけ?」
 ソラの弟で、学園一真面目と呼ばれる苦労人である。



作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司