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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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夏色のひみつ

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 いなかに来てたった二日しかたっていないのに、わたしは秘密をふたつ見つけた。
 気になりだしたら、たまらなく不安になった。
 一つはこがね丸。なんで妖怪のこがね丸がわたしと関係があるのか。
 もう一つはおばあちゃん……ちがう、お母さんだ。でも、ひょっとしたらなっちゃん?
 こがね丸はあれから出てこないし、こんなにふらふらじゃあ外にだっていけやしない。
「ああ、じれったいなあ。はっきりしてよ。こがね丸!」
 思わずさけんだ。すると、裏の竹林から声が聞こえてきた。
「ごめん。明るいときは姿を現せないんだ」
「こがね丸? あんたそこにいるの?」
「うん。今は君には見えないけど、よかった。君がぼくのことを意識してくれたから、気持ちだけは通じるようになった」
「え?」
「やっぱり、そうだよ。君はぼくとつながってるんだ」
「ああ、またそんなわけわかんないこと言わないでよ」
「力を貸して。お願いだよ……」
「もう、わたしはただの人間よ。妖怪のあんたの方が不思議な力があるでしょうに」
 突然、ぷつんとこがね丸の声が途絶えた。
 というより、意識がといった方が正確かもしれない。だって、今話しているとき、こがね丸の声は耳に聞こえたというより、頭の中に響いたという感じだったから。
 
「こんにちは。まゆちゃん」
 ふと後ろを見ると、ゆきちゃんとなみちゃんが来ていた。そうか、こがね丸はふたりの気配を感じて黙ったんだ……。
「おばあちゃんが上がっていいっていうから、きちゃった。具合はどう?」
「うん。この通り、もう起きられるの」
「びっくりしたよ。今朝電話してまた泳ごうって誘おうとしたら、熱出してるって」
「だから、今お見舞いに来たの」
 そういってふたりが袋から出したのは、カップのかき氷だった。
「おなか壊したんじゃないからだいじょうぶよね」
「これで熱も下がるよ」
「ありがとう」
 ふたりの親切がうれしかった。
「ねえ、今度なっちゃんの同級生っていう、先生にあわせてくれない?」
 わたしは思い切ってふたりに頼んだ。突然わたしがそんなことを頼んだものだから、ふたりはちょっと驚いた顔をしたけど、
「い、いいけど」
と、言ってくれた。
「あ、このことはなっちゃんにもないしょね」
 このとき、ふたりがけげんな顔をしたので、
「ほら、あの佐藤さんていう人とくっつけるのに、協力してもらいたくて」
 つい出任せを言ってしまった。でも、このいいわけはふたりを安心させるのに役だった。ふたりは今度の登校日に、先生の都合を聞いてくることを約束してくれた。
作品名:夏色のひみつ 作家名:せき あゆみ