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笑ミステリー 『女王様からのミッション』

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「ねっ、ねっ、ねぇー、高見沢さん、王子って、グリーン・アイズのイケメンで、めっちゃカッコイイじゃん。マイタイプだわ、ちょっと紹介してよ」
 マキコ・マネージャーが高見沢の耳元で囁いた。
「あの人はね、クラマ姫の恋人だぜ。熟女の蒸れ過ぎた色気を出して、モーションかけたら駄目だぜ」
 高見沢はマキコ・マネージャーに釘を刺した。
「で、お名前は何て言ったっけ?」
 それでもマキコ・マネージャーがしつこく聞いてくる。高見沢は邪魔臭そうに一言。
「通天閣王子だよ」

「ブッ! それ、なに?」
 そんな反応をして、後は「オホホホホ」と笑う。そんな戯(たわ)けた会話をしている時に、卑弥呼女王が現れた。そして、クカンテーツ王子とクラマ姫の前に歩み出て、澄んだ声で仰せられる。
「クラマ姫は脱皮され、まことに華麗になり申した。またクカンテーツ王子におかれましては、ようこそ我が邪馬台国にお出で下さいました。されど、いずれ二人で鞍馬山台国(くらまやまたいこく)に戻られて、国の再建に励まれるのが良いかと思います」

 クラマ姫はこれに応えて、輝きを増したグリーン・アイズを大きく見開き礼を述べる。
「東京の吉祥寺を出てから、きっと何かが起こると覚悟しておりました。そして鞍馬山で脱皮ができ、私の探しものであったクカンテーツ王子を見つけ出し、ここへ連れ戻すことができました。すべてこれは提灯持ち、その上に石っころまでになって頂いた高見沢様の尽力があればこそです。あらためて感謝申し上げます。高見沢様、まことにありがとうございました」
「なんのなんの大した話しじゃないですよ」
 高見沢は年甲斐もなく無邪気に照れている。

「これからクカンテーツ王子と二人で、鞍馬山台国の再建を成し遂げて行きたいと思っています。故に、卑弥呼女王とのグリーン・アイズ同盟、今後ともよろしゅうお願い申し上げます」
 クラマ姫はそう締めくくり、深くお辞儀をするのだった。それに卑弥呼女王は優しい微笑みをたたえている。
「それではクカンテーツ王子とクラマ姫は、しばらくの期間、この邪馬台国で御静養下さい。そしてグリーン・アイズの種の保存に互いに協力し合ってやって行きましょう」
 女王はこう述べ、高見沢の方に向き直って続ける。