小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

茶房 クロッカス その4

INDEX|30ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 

「――それにしても本当によく来てくれたなぁ」
「ふふっ、実はねぇ、今さっき退院してきたところなの」
「へっ、そうなんだ!」
「えぇ、今日ここに来たのは沙耶に呼ばれたからなの。ウフフ、ここで出産祝いをしてくれるんだって!」
「えぇーーっ! 俺、何も聞いてないぞー」
「多分、沙耶が休めないから、ここでって考えたんじゃないかなぁ? マスターにもこの子見せたかったから、私もその方が都合良かったんだぁ〜」
「そうか……。何にしても俺は大歓迎だよ。さぁ、立ってないで好きな所に座って。赤ん坊抱いてると腕が疲れるんじゃないのか? そうだ! そこのソファーをくっ付けよう。そしたら寝かせられるだろう」
 俺がソファーを動かそうとすると、薫ちゃんが止めた。
「マスター大丈夫だから。こうやって抱いてるのも嬉しいのよ。疲れたらそうさせてもらうから、安心して」
「そうかぃ? じゃあもうすぐ沙耶ちゃんも来るだろうから、適当にゆっくりして」
「えぇ、私のことはいいから、マスターは自分の仕事をしてて」
 薫ちゃんにそう言われ、俺は裏に入ると急いでランチの準備に取り掛かった。
 待つほどもなく沙耶ちゃんがやって来て、俺と朝の挨拶を交わすと、薫ちゃんと楽しそうに早速赤ちゃんの話で盛り上がり始めた。
 すると折り良く、今度は良くんがやって来た。
「あ、良くんわざわざごめんネ!」
「いや、めでたいことだから、僕も呼んでもらって嬉しいよ!」
「――マスター、ご無沙汰してます!」
 良くんは律儀に俺に挨拶を寄こした。
「おぅ、良くんいらっしゃい。君も沙耶ちゃんに呼ばれたのかぃ?」
「はい、そうなんですよ。満更薫ちゃんとは知らない仲でもないんで……」
「ほう、そうだっのかぃ?」
「はい、以前沙耶ちゃんの紹介で会ったことあるんです。病院にも沙耶ちゃんの付き添いで行ったこともあるし……」
「それって良くん、もしかしてアッシーさせられてるんじゃないのかぃ?」
「アハハハ、見ようによっては確かにそうですねっ」