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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~序章(前半)

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序章 第1話-卒業試験!?-



■アフロディテ国 最南端の村 サウスマリー 
エフェクション孤児院3F リディアの部屋<シーンNo.1-1>

時はグレイン暦2010年。朝。

 (画面は暗いまま)

????(シスター)「・・・・・・ディア」
????(リディア)「・・・・・・う、う~ん・・・・・・」
????(シスター)「(怒鳴るように)・・・・・・リディア!!」

 怒鳴られた瞬間、少女はガバッと起き上がる。

 (真っ黒な画面がリディアの部屋へと変わる)

 リディアと呼ばれた少女は、寝ぼけたままシスター=リーベを見つめる。(服装はパジャマ)
 シスター=リーベは、この『エフェクション孤児院』の責任者だ。
 リディア、寝ぼけながら、

 
リディア「ん・・・・・・ふあ~あ・・・・・・おはよ、シスター=リーベ・・・・・・」

 女性らしさが全く感じられない目覚め方をするリディア。
 シスターは、呆れた表情でリディアを見つめる。

シスター「全く、あなたって人は・・・・・・いつまで寝てるのよ!今日は遅刻厳禁じゃなかったの!?」
リディア「うん・・・・・・そうそう・・・・・・朝9時に『フィーリング道場』に集合して、フェイと一緒に・・・」

 リディア、寝ぼけながら時計を見つめる。
 時計は8時45分になっている。

リディア「え!?」

 彼女は自分の状況を察知し、一気に目が覚める。
 事の重大さに気づき、焦る。

リディア「ええーっ!!もうこんな時間なの!?・・・なんで起こしてくれなかったのよ!?」
シスター「私は何度も貴女を起こそうとしたわ!何をやっても起きないんだから、自業自得よ!」
リディア「もう~っ」

 リディア、慌てて着替え始める。

■エフェクション孤児院 1F<シーンNo.1-2>

 子供たちが食事をしている。

リディア「いっそげ~っ!!」

 その空気を乱すかのように、2階から慌ててリディアが駆け下りてくる。

子供(男の子)「リディ姉、おはよ~っ!!」
リディア「おはよっ!!」

 急いでいる彼女を追うかのように階段を下りようとするシスター。階段の真ん中あたりで、リディアに呼びかける。

シスター「リディア!朝ごはんは!?」
リディア「いらない!!」

 リディア、靴を急いで履いて、

リディア「いってきます!!」

 と、言ってすぐさま出ていく。

シスター「もう、あの子ったら・・・・・・」

 呆れながら、子供たちのもとへと行くシスター。
 すると、女の子が呼びかける。

子供(女の子)「シスター、あれリディ姉ちゃんの~?」

 見てみると棒が置きっぱなしになっている。

シスター「ああっ!!」

 外。
 リディアは走って集合場所へと向かっている。
 すると、シスターの大声が・・・・・・。

シスター「リディア~っ!!」

 玄関から叫ぶシスター。
 その大声に反応するリディア。

リディア「なによ、もう~っ!!」
シスター「忘れもの~!!」

 リディア、立ち止まり自分が必要なものを何も持っていないことに気づく。

リディア「あ~、ごめんっ!!」
シスター「いくよ!!」

 シスター、置いてあった棒を投げ飛ばす。

リディア「ちょっ、ちょっと、投げないでよっ!!」

 リディア、落ちる打点に入りキャッチする。

シスター「あと、これもっ!!」

 シスター、お金とアイテムが入っている袋を投げ飛ばす。
 リディアはその袋をキャッチする。
 袋と棒を持ちながら、

リディア「ありがとう!!」

 リディアは急いで街のほうへ向かう。
 シスター、リディアに届くように叫ぶ。

シスター「いってらっしゃーい!!」

 シスター、手を振る。
 いつの間にかシスターの隣にいる女の子もリディアに届くように、

子供(女の子)「リディ姉ちゃん、いってらっしゃ~い!」

 リディアは走りながら左手で手を振り、サウスマリーの街へと向かう。
 リディア・リーベ―彼女はサウスマリー村の外れにある、森に囲まれた施設『エフェクション孤児院』で暮らしている18歳の女性。活発で明るく、周囲を引っ張っていく男勝りな性格。そんな性格からか、孤児院の子供たちには『リディ姉』という愛称で呼ばれている。外 の世界に出てみたいと夢見ており、村の道場で格闘術を融合させた棒術の訓練に励み、敵と 戦う術(すべ)を身につけている。

 ※イベント終了。このままイベントが進む。

■アフロディテ国 最南端の村 サウスマリー 孤児院へ向かう道の出入り口<シーンNo.1-3>

 リディアが住んでいるこの村は、ペシィミズム地方の中心にある国境なき平和の聖地『プレシャス』から南南東にある国―アフロディテ。
 美や芸術が盛んな国で、美しい建築物や風景など、観光名所が至るところにある。

 そして、ここは国の中心から最南端の位置する村―サウスマリー。ものすごく平穏で、大きな事件は滅多に起きない村である。住人も多くはいないので、協力し合いながら自給自足の生活をしている。

 農作物や花を主力産業としており、村の奥にはサウスマリーを象徴としている結婚式場―『サウスマリー教会』がある。

 森に挟まれた『孤児院へ続く道』との出入り口にリディアがいる。

リディア「はあ・・・・・・はあ・・・・・・『広場』へ急がないと!!」

 ※ここでイベントが終わり、操作が可能になる。『広場』に行くとイベントが進む。

■アフロディテ国 最南端の村 サウスマリー 広場(フィーリング道場前) <シーンNo.1-4>

 サウスマリーの広場。中心には噴水がある。その目の前には、アフロディテ国の騎士団に所属していた、ダン・リュックズィヒトによる武術道場、『フィーリング道場』がある。
 道場前で歩きながら待っている道場の師範―ダン・リュックズィヒトと、石でできた階段の上で冷静に座って待っている青年―フェレル・ リュックズィヒトがいる。フェレルはダンの息子である。リディアは、フェレルのことを『フェイ』と呼んでいる。

 リディアと同じく、父親の道場で剣術の訓練を受けており、外の世界を旅したいと夢見ている。リディアとは幼馴染みであり、親友でもあり、ライバルでもある。

フェレル「・・・・・・ったく、おっそいなぁ・・・・・・遅刻するぞ、アイツ・・・」
ダン「まぁ、いつものことだがな・・・・・・」

 どうやらリディアがいつも寝坊して遅刻ギリギリに来るのは日常茶飯事のようだ。
 すると、

リディア「(声のみ)フェイ―っ!」

 リディアの声が聞こえてくる。それに気づくフェレルとダン。

フェレル「やっと来たか・・・・・・」

 リディア、二人の下へと来る。

リディア「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・間に合った!?」
フェレル「なんとかな・・・・・・全く、ヒヤヒヤさせやがって・・・・・・」

 リディア、フェレルを見つめながら、

リディア「ははは・・・・・・ゴメン」

 ダン、微笑みながら、

ダン「雑巾がけ1000往復は免れたみたいだな、リディア!」

 リディア、威張った態度をとって、