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第五章1話 チェルグの正体

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「もっと足を上げろ!!」
ザッザッザッザッ
「壱、弐、参、撃て!!」
ダダダダダ
「うえ~~~疲れた~~~」
「そこ!無駄口を叩くな!!」
何故ここまで忙しく訓練を行っているかというと実はとある情報が入ってきたからである。
「チェルグ!!ちょっと来い!!」
「はい!」
「なんだろうね。」
「うん・・・・・」
チェルグはマニラ侵攻第30連隊隊長の大橋と剣術部隊隊長の西王の元に来た。
二人はとても深刻そうな顔をしていた為チェルグは心配そうにどうかしたかと聞こうとしたその時
「このスパイめ!!」
バギッと大橋はチェルグを殴った。
「イッツ・・・・」
「お前イタリア人というのは嘘で実はアメリカ兵ということはわかっているんだ!!」
「!!」
チェルグは息を呑んだ。
「本当なのか?チェルグ・・・・」
西王はチェルグを労わりながら、心配そうにのぞいてきた。
チェルグは顔を伏せるとクククと笑い始めて
「アハハハハハハハハ!!!なんだ、どうしてわかったの?」
「さっきアメリカ捕虜から情報を聞きだしてわかったんだよ。
なぁ、『サグ=ビル=チャールズ』亜米利加秘密機構指令兵殿。」
「そこまでわかってるんだ・・・・
Yes, my name is sag- Bill-Charles.」
(確かに僕の名前はサグ=ビル=チャールズだよ)
「そ・・・んな・・・・・」
「嘘でしょ?」
3人は後ろを振り向くと青ざめた剣術部隊の一部がいた。
「ね・・ねぇ、嘘だよね?チェルグ、スパイだって嘘だよね?アメリカ兵って嘘だよね?」
源五郎は涙声で言い
「お前は俺達を助けてくれたこともあったじゃねえか!それも計算だったのか!!」
墨田は睨みつけながら言い、他の兵たちも問い詰めた。
チェルグもといサグは笑い
「騙されるなんて、なんて日本人は滑稽なんだろうか。それでよく大国を名乗れるものだ。」
「なんだと!」
「待ちなさい!!」
西王は食って掛かりそうな兵たちを沈静させてサグの前に出た。
「本当にそうなのか。パプア=ニューギニアで彼らに近づいたのも作戦の内か。」
「そうだ。」
「イタリア兵の真似事をして周囲を信用させたのか。」
「そうだ。」
バギッ。
西王はサグを殴った。
「痛いだろう。しかしこいつらの心の痛みはもっと痛いはずだ!
お前のことを信用していたんだぞ。
お前のことを仲間だと思っていたんだぞ。
そんな純粋な彼らを陥れるような奴は俺が許さない!」
西王は銃を取り出してサグに突きつけた。
「・・・・・・撃つなら撃てよ。俺はお前たちを仲間だと思ったことは一度もない。」
その言葉に一同は驚きを隠せなかった。
「チェルグ!嘘だよね?嘘って言ってよ。いつものおちゃらけでしょ!」
「源五郎本当だ。」
「嘘だ!だって、チェルグ仲間を探すって言ったじゃん!協力するよって僕言ったもん・・・」
崩れ落ちる源五郎を墨田は支えてサグに言った。
「俺も一番最初に会った時にいったはずだ。いや、俺達剣術部隊2~4班の皆も協力すると、お前を国に戻せれるようにすると誓った。それも嘘だったのか?」
「あぁ・・・・うそ・・・だ・・・」
「これで証拠はそろった。自供といえどスパイは逃がすと何をしでかすかわかりゃしない。ここで死ね。」
大橋は撃とうとしたその時