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ながっちょ
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one`s heart 2話 刻む天才

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「それでですね。中学校でやった通りに、xの係数に注意して、前に持っ…」
なんだろー。ここ3日で「オンリーロンリーグローリー」の再生回数が一番になった… ついでに脳内リピート回数も… そんなこんなで授業なんて聞いちゃいられない。 ただライブすごかっただけじゃなく、部活動の入部の〆切が迫っているんだ。
あんとき翔と約束した。
「お互い、高校で戦おう。今日みたいに」って
でも、バドミントンよりなんか心にきたんだ。音が耳から頭にいくんじゃなくて、一回心を通った気がした。
バドにはないなんか、震えるみたいな…
当然、数学中に答えが出るはずもなく、6時間目が終わった。そのとき

「ランプの精霊ジーン~!!!」
クラスが白けた…
はぁーなんでマナモじゃねーんだよ。心の中で、ジーンを恨みメールをみる

〈疾詩 今日暇やったら、軽音の体験入部いかね?( ´ ▽ ` )ノ〉

ジーンが呼び出したのはこいつか… つか軽音に体験入部なんて…なにやんだろ? 五割の好奇心。四割のダルさ。をかかえて、集合場所の1年4組に向かった。

こんときはわからなかった。実は一割、俺は運命を抱えてたって。

教室に着くと、トシが体育着と柔道着を小学校の夏休み前の荷物みたいになりながら、右手をあげた。
「ながっちょ~!」
それに右手をあげて返した。
そして、最初は俺の質問から
「軽音ってなにすんの?」
「※交じゃない?」
いきなり下ネタかよ!
「またライブとかやんのかな…」
するとトシが得意げに「なんか楽器触らしてくれるらしいよ!」
一番、不安だったことが起きた
「俺、楽器とかギターとか無理だって!んなことだったら帰りたい」
「いやいや、いこ!いこ!」
そんな、ド素人(音楽2)vs経験者を繰り広げていると…

「もしかして体験入部!?軽音の!」
小さなボブっていう髪型だっけ?そんなような、女の先輩が声をかけてきた。
すかさず、トシが…
「俺ら軽音の体験入部です!」
俺を逃がさないように、答えたな…
このやろー。あとで自転車のサドル隠してやっからな…
「そうなの!とりあえずこっちきて機材運ぶの手伝って。」
女の子が嬉しそうに、自分についてくるようにいった。
トシを見ると「俺の勝ち」っていいたそうな顔してる…
サドルの代わりに傘いれっとからな!でも、ニュースでブロッコリーが話題になってたような…

無駄なこと考えると、俺ら一年生の三階から下りて、二階の「軽音楽部」って部屋に着いた。
周りには俺らと同じ、一年生がたくさんいた。たしかに人気だよな…
「やっぱみんな、軽音部に入ってチャラくなって、高校デビューてか(笑)」トシも同じこと思ってたらしい
そして、あの女の先輩が
「今から1-5と1-6にアンプとドラムを運んでくださーい!そんで1-5に集合ね~ なんかわかんないことあったらウチに聞いて。」

女の先輩が思い出したように、「名前は南木っていうからナッキー先輩って気軽でいいよ~」
そんな自己紹介を終えて、部室から運んで!と俺らを促した

そして、教室の四分の一にも満たない小さな部室に、スピーカー?たしかアンプって言ったな(笑)それが大小十個くらいあって(全部アンプかわかんないけど…)そしてギターやらベースが十数本、いかにも!だった…

中でもドラムがパーツごとに、なっていて、「ドラム」しか見たことなかった俺には新鮮だった。
「んじゃ君はこの、ギターアンプ持って、取手あるから。」
先輩に言われた通りもつ。思ったとおり重かった。

廊下見渡して見ると、ギターを背負った先輩。ドラムの一部を運んでいる一年生。そして徐々にコードがつながれていく、アンプ。

それらすべてが、いかにも「軽音」だった。

「やべえ。母校なのにかんぜアウエーじゃん(笑)」心の中で後悔した。

とりあえず、部室から教室の往復をこなしてみた。
でもいくら仕事をこなしても、アウエー感は消し去ることができなかった。しかし以外な形で、沈黙が破られる…

「もしかして、ドラムやってる?」

ハッとし、後ろを振り向くと、髪をツンツンにして、表情を強張らせた、男子が立っていた。
こういう誰にでも絡んでくるやつは、気を付けたほうがいい!しなも、かツンツンやし、こえーし…
いかにもじゃん!
そんなことおもって、とりあえず、元気に話しかけた。
「おお!ちわーす!おれはドラムやってないよ!!もしかして軽音の体験入部!!?」今だせるすべての勇気を使ったのかもしれない… すると予想に反しツンツンは笑顔で答えた。

「そうだよ!! ちょっとドラム見にきたんだ。」

良かったーー!!いい人だ!結構気が楽になり、一気にアウエーからホームに変わった。立て続けに聴いてみようとしたとき、ツンツンが。

「あのさー気まずいから、一緒にドラム見ない?」

「マジで!俺もアウエーだと思ったんだよね!いいよ一緒に行こう!」

ドラムか…どうせトシはギターの部屋行ってるだろうし、知り合いもいないからな…第一ツンツンと仲良くなりたい(笑)

「ありがとう!ドラムの部屋はそこだから。」おれの後ろの5組を指差し、行こうとツンツンが手招きした。

だから、おれがドラムやりたいと勘違いしたんだ。数分間教室の前にいたからな(笑)
そう思って。5組のドアを開けた、そしたらさっきまで一部だったドラムもちゃんとドラムセットになっていた。

ドラムを2人で眺めていると、教卓付近で、先輩が集まっていた。なにやら相談をしているようだ。その間に、ツンツンと「どこすみ?」とか「チャリ通?」とか話していた。ある程度時間がたったとき。

「岸高、軽音部へようこそ!とりあえず、体験入部期間でいろんな楽器を体験してみて、気に入った楽器があったり、楽しかったら入部してくださいね!」と背の高い先輩が言った。
「それで、この部屋はドラムを体験できます!そんなわけでとりあえずそこの女の子から順にテキトーに叩いちゃってください(笑)」

明らかに、新入生にとって無茶ぶりだし、ひどくいえば拷問なのだが、先輩たちは俺の隣にいた女の子をドラムまで連れていき、俺ら一年生をドラムの周りに集めた。

「教室はほとんどの人が初めてドラム叩くと思うんです。そんなわけでこのおっきな先輩が教えてくれますよ!」女子の先輩が、背の高い先輩を指差した。

「おれ!?無茶ぶりはやめろって!」
そこから先輩たちの討論が数分間続き、結局背の高い先輩が教えることになった。
「えっと、FIVESTARのドラムの杉内です。よろしく…」
あっ!あのオンリーロンリーグローリー弾いてたバンドのドラムの先輩だ…
一年生全員が「よろしくお願いします!」とあいさつをして、体験入部が始まった。

「実際、ドラムが叩けるかとかはいいんだ。慣れれば叩けるように絶対なるし、練習すれば楽しくなるから!そんなわけで今日は8ビートってやつをやりたいと思います。」

そう言って、杉内先輩は俺の隣にいた女の子に…

「んじゃそこから順番にたたいていこうか!こっちきて。」女の子をドラムの前にある椅子に座らせた。そして説明を続ける…

「ハイハットてやつのペダルを踏んで。」