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てっしゅう
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「新・シルバーからの恋」 第九章 結婚式

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「そうだったの・・・言ってくれればいいのにね、恵子もみんな勝手にどこかへは行かないって安心しきっているのかしら」
「そうだなあ、今日にでも話そうかと思っているんじゃないのかな」順次は悦子の愚痴のような言い方にそう応えた。

待ち合わせの後にビーチに行くから、水着に着替えなくてはならない。美雪の部屋で悦子は一緒に着替えてそろそろ下に降りてゆく時間になろうとしていた。
「お姉さん、良く似合ってるわよ・・・恥ずかしくなんかないわよ、素敵なんだから」
「ありがとう・・・着ちゃったら意外にいいね、フフフ・・・若い頃思い出しちゃうわ。しかし、美雪は結構胸があるのね、副島さんお喜びよね」
「お姉さんだって、昨日は随分お悦びだったじゃないですか」
「えっ?聞いていたの・・・いやらしい人ね」
「違いますよ。聞こえてきたからダイニングで話が出来なくなっただけです!」
「何の話をしてたの?あの時間に」
「帰ったら副島さんの亡くなった奥様のお墓参りに行かせて、って頼んでいたの」
「そうだったの・・・偉いわね。真面目な話を邪魔したのね、私たちが」
「そうですよ!でも、ウフフ・・・行則さんね、平川さんにアドバイスもらって、頑張ってくれたから・・・楽しめちゃった」
「主人から?何を話したのかしら・・・きっとやらしい事ね」
「いいじゃないですか、結果良かったわけですから」
「あなたはね・・・私には気になるのよ、何を言ったかって」
「じゃあ、聞かれたら私にも教えてくださいね」

二人とも大き目のTシャツを上に羽織って、ビーチに行く持ち物でエレベーターを降りていった。

朝から真っ青な空とからっとした温かさで全く日本とは違うリゾート地の雰囲気に8人は子供のようにはしゃいでいた。
プライベートビーチは小さかったので少し歩いてダイヤモンドビーチの方まで行った。多くの観光客が浜辺で寝そべっていたり、ボートに乗って寛いでいたり、ジェットスキーやパラセーリングなどを楽しんでいた。

「悦子、なかなかいいよ。惚れ直したな・・・」順次はビキニ姿をじっと見てそう言った。
「ほんと?良かった・・・嫌われないで。美雪みたいに胸があったらもっと似合うのにね」
「贅沢言っちゃいけないよ。俺には十分だよ今のキミで」
「私もよ・・・」
「あれ?なんだかアツアツじゃないの?」美雪は聞いていたのか笑いながら話しかけてきた。

「美雪さん、あなたこそ新婚だからアツアツでしょう?」順次はそう答えた。
「まあね、平川さんのお陰で昨日はいい思いさせて頂きましたから・・・感謝しなくちゃね」
「美雪!朝からそんなこと言って・・・はしたないわよ」悦子は自分のことが言われそうでそう制した。
「何の事?・・・ああ、そういう事か・・・ハハハ、良かったですね。副島の奴頑張ったんだ・・・」
「美雪、何話しているんだ?」副島は3人で話していることが気になっていた。
「行則さん、何でもありませんのよ・・・平川さんにお礼を言っただけ」
「お礼?・・・お前まさか言ったのか?」
「ええ、はっきりじゃないわよ。感謝していますって申し上げただけ」
「平川、すまんな・・・朝から美雪が変なこと言って」
「いいんだよ、仲良く出来たなら嬉しいから・・・ハワイだし、無礼講で行こう、ハハハ・・・」
「悦子さん、なかなかお似合いですねその水着」
「あら、副島さん嬉しいこと言って下さって・・・もう恥ずかしさを通り越して今は大胆になっているのよ。やけくそ!見たいな、ハハハ・・・」

伸子と恵子は浜辺にシートを敷いて寝そべっていた。傍で剛司と誠二が話をしている。
「なあ、誠二くん。なんで恵子だったんだ?」
「えっ?どういう意味ですか?」

何を聞くのかと不審に思った。
「誠二くんはいい男じゃないか、若いし仕事だってきちんとしているし。恵子なんかより若くて綺麗な人たくさんいるぞって思ったんだよ」
「酷いですよ、剛司さん。なかなか縁がなくてお見合パーティーで知り合った恵子さんがなんだか温かくてボクには安心できたんです」
「なるほど・・・お母さんみたいだったって訳か?」
「そこまでは言いませんが、自分の事を大切にしてくれそうだったですから・・・それに、二つ上だなんて感じさせてくれませんよ」
「激しいのか?」
「何がです?」
「分かるだろう、男だったら・・・」
「ああ、いえそんな事ないです。普通です」
「普通はないだろう?ハハハ・・・真面目だなあキミは。俺とは違うな。俺や徹はやっぱりダメな部類なんだよな。女泣かして、傷つけて、最後は独りぼっちになってしまう・・・」
「徹さんって美雪の・・・」言いかけて辞めた。
「そうだよ、美雪の先輩で不倫相手」
「剛司さん・・・それは無しですよ。今は奥様がいらっしゃるではないですか」
「いいんだよ、伸子は全部知っているから」
「そういう事じゃなくて・・・気遣いしてあげないと、いけないですよ」
「優しいなあ誠二くんは・・・恵子もそういうところに惚れたんだろうな。毎日しているんだろう?」
「無理です!そんな事」
「ハハハ・・・若いのに頑張れないんだなあ」
「58ですよ、ボクも・・・」
「俺は還暦だけど、昨日も伸子としたぞ」
「仲いいじゃないですか、剛司さんも・・・昔の事はみんな言いっこ無しにしましょう」
「そうだな、キミの言うとおりだ」

ずっと二人で話しているのを伸子と恵子は見ていた。
「あなたたち何をそんなに話しているの?」
「伸子か・・・いや、男の会話だよ、なあ誠二くん?」
「はい、そうです」
「イヤね・・・男の人ってすぐにエッチなこと話し始めるから・・・」
「おい、恵子何言っているんだ!そんな話はしてないぞ」
「そうですよ、恵子さん」誠二も合わせるように言った。

「あらあら、喧嘩なんかしちゃだめですよ、こんないい気分の所で・・・ね?剛司さん、誠二くん?」
美雪は自慢のビキニ姿で近づいてそう言った。

「なんだよ、お前に言われるようなことしてないぞ。男の話をしていただけだ。そう言えば、誠二くんは美雪・・・さんと同級生だったよな?」
「はい、剛司さんそうですよ。二年と三年の両方で同じクラスでした」
「そうか・・・じゃあ良く知っている訳だ。お互いに」
「その当時のことはね」
「教えてくれよ。どんなやつだった?美雪さんとキミは?」

その場にいるみんなも聞きたい様子だった。

「美雪はクラス・・・いや学年で一番の美人だったですね。みんなからちやほやされていたし。ボクは自慢じゃないですが目立たないもやしっ子でしたね」
「もやしっ子か!いまはアスパラぐらいになっているのか?ハハハハ・・・」
「酷いですよ!剛司さん・・・」
「そうよ、剛司くん、あなたいつもクラスで誰かをいじめていたわよね?悦子だって泣かされたことあったし・・・」
恵子は誠二が馬鹿にされたようで逆襲した。

「昔の事なんだからいいじゃないか!悦子を泣かしたのは・・・と・・・辞めておこう。俺じゃないぞ、それだけは言って置くけど」
「ねえねえ?今の話ってそれ以上は聞いちゃいけないの?昔のことでも・・・」美雪は悦子の顔をチラッと見た。
笑い顔では居たけど、夫のいる前では話せない事なんだと悟った。