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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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第2章 合流



 マギカ宇宙の『地球』と呼ばれる惑星上。

 ここは、魔法少女連合会の秘密基地の一つ。

 時空管理局とのリアルタイム通信が可能な
専用通信ルームである。

 暁美ほむらが、クロノ・ハラオウン提督に
噛み付いていた。

「どうして、私達が戦闘に参加しては
いけないんですか?!

 相手は、あの、まどかなんですよ!!」

「さっきから説明しているだろう!!

 君達をかつての友人と戦わせたくは、ないんだ。

 だが、彼女の行動によって今も被害者は増え続けている。

 誰かが彼女を止めるしかないんだ」

「だったら!!!」

「とにかく、君達の参戦は拒否する!!
 以上だ!!」

〔 ブッツン !! 〕

 音声と映像が途切れる。
 時空管理局側で一方的に、
通信回線を切ったようだ。

「ほむら……」

「暁美さん……」

 佐倉杏子と巴マミが、声をかけたが、
ほむらは、何も答えない。

「…………」

 唇をかみ、悔しそうな、ほむら。

 マミも、杏子も、何を言って良いか、
分からなかった。

 クロノの言葉は、そのまま、
二人のほむらに対する気持ちでもある。

 ほむらに向かって、
「まどかと、戦え」
なんて言えない――

そんな事を言える者は、どこにもいなかったのだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 なのはと、はやては、クロノが艦長を務める
LS級次元艦へ乗り込むべく、管理局の内部通路を
走っていた。

「はーやてー!」

 横の通路から、守護騎士ヴォルケンリッターの一人、
鉄槌(てっつい)の騎士ヴィータが元気良く走ってくる。

 ヴィータの着ている服装は、赤を基調としたゴスロリ調に近い
デザインの『騎士服』と呼ばれる物である。

 外見上は、地球の小学生ぐらいにしか見えないヴィータに
良く似合っていた。

 ヴィータは、走り寄ると、そのまま、はやてに抱きついた。

「こ、こら! ヴィータ!
 急いで出撃せなあかん時に、何ふざけとるんや?!」

 はやては、一応怒った口調でそう言ったが、
顔は笑っている。

「ごめん、はやて。
 でも、任務が長引いて、久しぶりだから、
嬉しくて、つい」

「我らが主(あるじ)の、おっしゃる通りだ。
 しゃんとせんか! ヴィータ!」

 ヴォルケンリッターのリーダー格である
烈火の将シグナムがヴィータをたしなめた。

「うー。
 わ、分かったよ、シグナム」

「お久しぶりです、シグナム」

 なのはが、シグナムに挨拶する。

「ああ、高町一等空尉も、元気そうで、なによりだ」

 シグナムの服装は、まさに剣(つるぎ)の騎士と
呼ぶに相応しい、やはり赤を基調とした
プロテクター・タイプの騎士服である。

 彼女は、いわゆるアネゴ肌と言う感じの
美しくも逞しい女性剣士で、
実際、若い管理局員には、ファンも多い。

「ほんと、JS事件直後の、なのはちゃんは、
ボロボロの状態で、主治医の私は、心配で、
心配で、何日眠れぬ夜をすごした事か」

 ヴォルケンリッターの中で、治癒魔法と
サポート系魔法を担当する湖の騎士シャマルは、
機動六課時代、所属隊員の健康管理を職務とする
ドクター役だったのだ。

 激しい長期戦闘で、ダメージを負い
ひどい状態だったなのはを、人一倍心配していた
人物でもある。

「その節は、お世話になりました」

 なのはは、素直に、
シャマルにお礼をかねた挨拶をした。
 なのはも、シャマルがどれだけ自分を
心配してくれたのか良く分かっているのだ。

 シャマルの服装は、
御伽噺(おとぎばなし)の中の魔法使いか、
古代の女性神官が身にまとっていた様な
グリーン調のシックな騎士服である。

 シャマルは、癒し系お姉さんと言う感じの
やさしげな女性だが、本気の戦闘時はかなり怖い、
との噂もあった。

「シャマルの心配性は、今に始まった話ではない。
 高町一尉とて、それほど、ヤワではあるまい」

 最後に、話に加わったのは、ヴォルケンリッター
盾の守護獣ザフィーラである。

 機動六課時代の守護獣形態、蒼き狼モードではなく
人間形態である。

 ザフィーラの服は、動きやすさ重視の騎士服であり、
格闘戦・接近戦を得意とする
無口な男ザフィーラに、似合いである。

 頑丈そうな手や足のアーマーは、鎧の一部にも見える。

 彼の強さと、しぶさに憧れる管理局員は多いが、
最近、「兄貴と呼ばせてください!」
と言い出す若い男性局員が増加中であった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 彼ら4人の守護騎士ヴォルケンリッターは
人間ではなく、ある魔導プログラムが
実体化した疑似生命体である。

 その魔導プログラムは『守護騎士システム』と
呼ばれたモノであった。

 『守護騎士システム』は、超古代に造られた『夜天の書』と
言う魔導書型ストレージ・デバイスの守護・防衛が
その使命であり、守護騎士は魔導書『夜天の書』の
一部であるとも言えた。

 ( ストレージstorageは、貯蔵・保管
 あるいは、記憶を意味する )

 今となっては、詳細は誰にも分からないが、元々
『夜天の書』は各世界の優れた魔法技術を
『記憶・保管』する事を目的に造られた
魔導書だったらしい。

 それが何者かによって改造され、
防衛プログラムの暴走によって、
現在、位置する世界を破壊する恐るべき
破壊魔導兵器『闇の書』へと変貌を遂げたのだ。

 この『闇の書』は守護騎士ヴォルケンリッターと
ともに、長きにわたり、各世界を旅し、ある時は
戦争を起こし、ある時は逆に戦乱に巻き込まれながら、
最終的には、その所有者自身と、様々な世界の、双方を
破壊してきたのである。

 その悲しき運命に終止符を打ったのが、
現在の『夜天の書』の所有者、八神はやて、であった。

 はやてが、9歳の時、異世界より空間転移していた
『闇の書』は、はやてを次の所有者にランダムに選択した。

 それと同時に、はやての前に
守護騎士ヴォルケンリッターが出現し、彼女を
『闇の書』の主(あるじ)・〔所有者〕として
守る様になったのだ。

 その後、『闇の書』は、以前と同様暴走し、
はやての生活する世界全体を破壊するところであったが、
これを防いだのが、同じ世界に住んでいた高町なのはと、
その親友フェイト・テスタロッサである。
 (当時は、フェイトは、まだハラオウン家ではなかった)

 なのはと、フェイトの奮戦によって、はやてもまた
魔導師として覚醒し、彼女ら3人と
守護騎士ヴォルケンリッターはチカラを合わせて、
分離された『闇の書』の防衛プログラムを
消滅させる事に成功したのだ。

 だが、この後、『夜天の書』の管制プログラムで
あった初代リインフォースは――
自分の内部プログラムも改造されていて、
このままでは自分は暴走し、
新しい防衛プログラムが再生され、
元の危険な状態になると警告して――
なのはと、フェイトに、
自分自身を破壊してもらったのである。