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出会いの秋、そして――の秋

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ゆらり、ゆらりと落ちていく色とりどりの落ち葉。
 寂れた朱色の鳥居。
 今にも床が抜けそうな大きな社。
 毎年やってくるこの季節。
 人間と言うのは何故、一つ、一つの季節を楽しんだり、悲しんだりするのか俺には理解できない。
 抜けそうな床に胡座をかいている俺は大きく開けられた社の扉から外を見ていた。
 ずっと昔、この社は確かに栄えていた。
 人は何かを忘れ、そして新たに何かを覚えて生きていく。そして忘れられた中に俺はいる。
 供物がなくなり、曇っていくだけの鏡を昔からずっと俺は見ていた。同時に何百回と回る季節に。
 不意に落ち葉を踏む音が聞こえてきた。
 あぁ、また来たのか。俺にとって少しの時間しか生きられた女性が来た。
 大きく扉が開けられた社の前で年老いた老婆が立ち止まり手を合わせた。
 いつも通りのか弱い声が響く。
「今日が最後になりますが、これからも家族のことをお願いします。私のことは……」
 今日が最後?
 老婆は最後まで言葉を言わずに後ろ姿を見せて去っていった。
 あぁ、最後の一人である老婆も今日が最後なのか。
 人とは生まれて短い人生を生きて、そして後は死んでいく。
 短いものだな。
 俺とは違い、人は寿命が存在する。儚いものだな。
 神と人間。そんなにも違うのか。

 ゆらり、ゆらりと落ちていく落ち葉。
 秋は出会いの秋でもあり、そして別れの秋。