傷
化粧
いままでとは違う由美の顔を見た。
由美はこれほど丁寧に化粧をしたのは何年かぶりであった。
どこかに出開ける時であっても、簡単に済ませていた。
自分と同じ年の山崎の若々しさにショックを感じた。どう見ても山崎は自分より5歳は若く見えたのだ。
青田は由美を見て、何か心の中を見透かされているのではないかと感じた。
「どこか出かけるのか」
「いいえ」
「見違えたよ」
「嬉しい」
「これからは毎日すればいい」
「エステにも行こうかな」
「綺麗になればいい」
「あなたが喜んでくれるのでしたら、何でもするわ」
「綺麗な顔を見るのは気持ちがいいよ」
青田は由美の美しさを見直した。