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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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青田は森田の横腹を蹴った。
森田はテーブルの上にリンゴと一緒にあった果物ナイフを持った。
「こうなったら、洋子を刺して俺も死ぬ」
「何を言ってるんです」
「俺はもう離婚してしまったんだ」
森田は泣き出していた。
泣きながらも森田は震えながらもナイフを離さなかった。
青田はすきを見てナイフを取り上げようとした。
瞬間的に森田はナイフを左右に振った。
それが青田のわき腹に刺さった。森田はあわてて手を離し、外に逃げて、車で走り去った。
秋草はナイフを抜くと、止血をした。
そのまま車で病院に行った。
救急車を呼べば事情を聞かれるのが解っていたからである。
何としても穏便に事を済ませなくてはいけないと考えたのである。
作品名: 作家名:吉葉ひろし