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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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担任が山崎洋子の退学を告げた。
「あと半年ですが残念です」
山崎さんは挨拶にも来なかった。
青田は不安を感じた。山崎さんが学校を休みだしたのが、青田がキスをした翌日からであった。
図書室で文集の編集をしている時、二人になった。
「青田さんのこと好きになっていい」
「急に言うなよ」
「だって、学校に来る楽しみは青田さんに会えるから」
「僕だってみんなに会えるからさ」
「皆じゃないの、私は青田さんだけよ」
山崎はそう言いながら、青田の方に椅子をずらして近くに寄った。そして横を向くと目をつむっていた。
青田は山崎の唇に自分の唇を触れた。
山崎の唇からは歯磨きの臭いがして来た。
ただの友達と思っていた山崎が急に好きになった。

作品名: 作家名:吉葉ひろし