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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*自分の世界を表現する*



次の手術までに日にちがあるので、幸い熱も痛みもないのでいったん退院してきたワタクシですが、なんと、帰ってみればワタクシのパソコンが壊れているではありませんか。
まあ、ちょっとおかしくなってきて、だましだまし使っていたのではありますが。

ですが、用意周到の我が夫。新しいのを数ヶ月前から買っておいてくれたといって、すぐにデータを移して使えるようにしてくれました。
ありがとう。お父ちゃん(^o^)

そのとき、パソコンの周囲を片付けていましたら、2004年から2007年までに受けた講習会のメモが出てまいりました。
以前他サイトでこのエッセイをアップしたときは、別のメモを参考にしていたのですが、そのサイトから撤退するとき勢いで全部消してしまったのです。
ですから、また他サイトで発表するときは一から思い出しながら書き、またこちらでも思い出しながら書いていると言ったあほなことをしているのですが、でも、二度手間三度手間ながらも、自分が勉強したことを反芻するのにはよかったかなと思っています。

そのメモは、最初の頃はアマチュアが公募に応募する際の注意とかノウハウでしたが、だんだんと作家デビューするための心構えやら、作品に対する思い入れやら覚悟やらという内容にレベルアップしていました。

まず大事なのは、自分が書こうとする世界を自分が好きになること。
自分が好きでなければ、読者だって好きになってはくれないですからね。
そして、自分がその世界をどれだけ好きか、押しつけでなく、読者に共感してもらうように努力を惜しまず書いていくこと。

ある先生は「最初の一行で、その世界を表現する」とおっしゃっています。
それで読者を引き込む訳ですね。

作者にその世界が見えなければ、読者には伝わりません。情景を浮かび上がらせるように書く努力をしなくてはならないですね。

実は世に出ているたいていの物語は発想が平凡で、むしろ、それが当たり前なのだそうです。

ですがそれをどう表現するか、書き方で非凡に出来るのだと言われました。
見せ方、伝え方ですね。

それをとことん努力して読者に受け入れられるように書くのがプロというわけです。

やっぱり「絵が浮かぶ」ような文章にはあこがれますよね。
それにはわかりやすさも必要です。
流れがよい文章、自分の文体を見つけることも重要になってきます。

入院中に友人が宮部みゆきさんの小説を貸してくれました。
江戸時代の怪談なのですが、読んでいくうちに自分がその時代に入っていったかのように、ちゃんと情景が浮かんできました。
なるほど「うまい」と思いました。

この宮部みゆきさん。あ、ワタクシは別に知り合いでも何でもありませんが、夫の友人の先輩が高校時代の宮部さんの国語の教師だったそうで、その方から聞いた話ですと、『宮部さんは非常にわかりやすい文章を書く人だった』と言うことです。
たしかに、作者に見える世界が読者にも見える文章だと、うなずきました。

実はもう一冊、別の作家の本を貸してくれたのですが、その雰囲気はわかるのですが、どうしてもその世界に入れないものがありまして、いまいちだったな〜と残念に思いました。

自分が書く、書きたい世界を構築していくには、説明そのものを物語化してしまうこと。
異世界には異世界のルールを作り、決して破綻させてはいけないのだとメモは締めくくってありました。