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カナダの自然に魅せられて  ~トロントへ~

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<章25、湖畔の町・トロント>

トロントはカナダ東部、オンタリオ湖の西の湖畔にあり、その対岸はもうアメリカだ。
あのナイアガラ滝の近くにあるレインボーブリッジでアメリカに繋がっている。

カナダの西の端が、二日目に行ったホワイトロック。その先に見えてるところはもうアメリカだよと船長さんに教えてもらった。
ここトロントは、まだカナダの東端ではないが、オンタリオ湖の南でアメリカに繋がっている。

私たちは国境沿いを西から東へ移動してきたんだなあ〜。すごい距離だなあ〜。改めて、大陸の広さを痛感する。
でも、移動ばかりでちょっともったいないかも。特にバンフからトロントは昼間に移動ばかりでどこにも寄らずに、バスと飛行機だけだもんなあ。
地図を眺めながら、そんなことを飛行機の中で思った。


いよいよトロント空港に着いた。
トロントは蒸し暑かった。雨上がりなのか、空はどんよりしていて気だるかった。
あのさっぱりとして湿気がなかったカナディアンロッキーの気候とはずいぶん違う。
湿気の多い日本の夏とよく似ているようだ。


さ、空港に着いたし、末っ子の美優にメールをしようと、携帯を取り出し電源を入れた。
着信メールがあった。
「まだなん?なんでこんなに遅いのん? 何かあったん?」
と書いてあった。

『あれえ?遅いかぁ?そんな筈ないやん。』
「順調に3時間40分で到着したのに、美優が遅い言うてるよ。なんでやろ」
と二人に言うと。
「えっ!?…ごめん!!…時差を計算に入れてなかったわ」

いつも冷静な美月の大失敗。美月が作った予定表の時間がカルガリー時間になっていたのだ。トロントとは2時間の時差がある。
到着16時40分はトロント時間の18時40分だ。
夏はなかなか暗くならないし、雨の降りそうな空模様だったから、私たちが夕方の5時と思い込んでも不思議はなかった。
「ごめん。美月ちゃんが時差を計算してなかったって!謝ってるわ。まだ空港やし、ここから1時間ぐらいかかるみたいやから、会うのは明日にしようね」
と打つと、
「もう遅いし、今からなら出られへんわ。夜は怖いし。明日ね。でも、住所のとこらへんへ行ってもホテルはわからへんかったわ」
との返事が返ってきた。 
幸い、トロント大学の寮と今日泊まるホテルは大学をはさんで南北にあり、比較的判りやすい位置関係にあった。それで 明るいうちに、美優はホテルを探しに行ってくれたようだ。

しかし、ホテルが判らないって…。