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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十の五  【郷】


【郷】、饗宴で二人向かい合って座る姿だとか。
そして今では田舎または里の意味。
その中でも是非行ってみたい【郷】は、理想郷/桃源郷だ。さらに言えば、シャングリ・ラ(Shangri-La : 香格里拉)。

イギリスの作家ジェームズ・ヒルトンは、一九三三年に出版した小説「失われた地平線」にそのシャングリ・ラを書いた。
チベットの未知の地域、つまりヒマラヤ山脈の西の果てに、その崑崙(こんろん)山脈の方へ向かった辺りに、カラカル(Karakal)という名の八、五〇〇メートル以上の高峰がある。 
その麓の霧の漂う谷間、その辺りがどうもシャングリ・ラらしい。

空気は澄み、水は清らかに流れ、草花は可憐に咲き乱れる。自然の中で生命を授かった生物すべてが…活(い)き活(い)きと美しい。
そんな世界があると言う。そんな所で暮らしてみたいものだ。

だが考えてみれば、我々は現代人。
ウォシュレット・トイレがない所…「ちょっと、どうもね」となってしまう。
ならば我々のシャングリ・ラ、それは一体どこにあるのだろうか?
それは、それぞれの人が求める条件、それを満たした【郷】となるのだろう。
恥ずかしながら、我が【郷】の七つの条件は、

一、ネットが繋がること
二、大型モールや居酒屋があり、息が抜けて、町に繋がる便利なこと
三、もちシャワー/ウォシュレット・トイレ/ベッドが揃っていること
四、趣味活動の近場であること
五、近場にゴルフ場があること
六、周りに自然があること。だが蚊がいない所
七、災害から縁遠いこと

まさにそれは、シャングリ・ラではなく…「俗人グリ・ラ」。 俗人【郷】なのだ。