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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十の二  【蕎】


【蕎】、この字の読みは(キョウ)。
これに「麦」が付いて『蕎麦』(そば)となる。
元の和名は、「曾波牟岐」(ソバムギ)だとか。

それを貝原益軒は、わざわざと、「そばむぎ」と言うが、それは「麦」ではない…と。 
そらそうだ。
パチパチパチの拍手。

さらに貝原益軒は、みんなの食べ物で、麦の次に良い味だと順位付けた。
放っといてくれと言いたいが、これを現代版に直せば、麦ときたならパン。そのパンの次に蕎麦が美味いと言うことか?
この意見に反対だと叫ぶ人たちも多くいることだろう。
パンも美味しいし、蕎麦も美味い。

そんな蕎麦だが、タデ科の一年草。夏から秋に白い花を咲かせる。
その実は三角卵形、乾くと黒褐色になり、それからそば粉が作られる。
それを麺にする時に、「つなぎ」として何割か小麦粉を使う。だが、「つなぎ」なしの蕎麦粉だけで打ったのが、十割蕎麦だとか。

そんな蕎麦(そば)、若い頃、どこが美味いのか理解でこなかったのが「にしんそば」。
だが不思議なものだ。筆者は最近それにいたく嵌まっている。

こんな『蕎麦』とのお付き合い、振り返れば、
かけそば → ざるそば → 天ざる → とろろそば、そして今は「にしんそば」と我が遍歴がある。

それはまるで人生の歩みと同じようなもの。
この歳になって、やっとやっと「にしんそば」の域に達したかと、己のことながら感じ入ってる。

そしてさらに歳を重ねれば、どうなるのかな? 
終焉には、

『うどんそばより かかあのそば』…と、なるのかなあ?
少し遅過ぎの感はあるが。