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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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六の一  【化】


【化】、「人」と「七」との組み合わせ。
この「七」が頭と足を逆さまにした人の形で、死者の姿。それが人と背中合わせに横たわっていて、死と生が繰り返していることを表しているとか。
そして、その繰り返し変化して行くことが【化】だと言う。

かって京都の嵯峨野(さがの)に広がる野辺を化野(あだしの)と呼んでいた。
そこは野辺送りの風葬、つまり死体を野ざらしのまま風化させる地であり、この世に生まれ変わってくる、すなわち化けてくることを願った地だった。
しかし、うまく化けられず、魑魅魍魎(ちみもうりよう)のゾンビばかりとなった。

これを見かねた弘法大師、空海が人々に土葬を教え、そして化野念仏寺を開き、八千体の石仏/石塔を集め供養した。

また【化】の熟語で、『化身(けしん)』がある。
世の人を救うために人の姿となり現れ出てきた仏さまのこと。
そこから発展し、空想の世界の生き物が人として現れた姿も『化身』だと言う。

そんな『化身』、神代の時代にもあったようだ。
木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)は桜(美しく儚さ)の化身。
そして姉の岩長姫(イワナガヒメ)は岩(長命)の化身。

この姫たちは天照大神の孫のニニギに嫁ごうとしたのだが、ゴツゴツした岩長姫は帰される。これにより長命の縁は捨てられ、それ以降、命は花のように儚いものになったとか。

他に愛の化身なるものがある。これは一体どういうこと? と問い詰めたくもなるが…。

まさに【化】、それそのものが、いかようにも【化】けてしまうということだ。

参考:
ニニギは略称、本当は左記。これも化身の一種か?

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命
(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)とのこと。