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Over the rainbow

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歓迎会



 居酒屋「時空」は新鮮な魚介類が好評な店で、宇宙研究所からはレインボーロード一号線で十分の場所にある。市川と柚里を含む二十一人の研究員たちが巨大なドーム型のその店に入って行くと、着物姿の女性店員たちが、一斉にクラッカーを破裂させて祝福してくれた。
 店内には、地球の海水と同じ水が満たされた、湖のような巨大いけすがあり、その中をたくさんの魚たちが泳いでいる。地球から移植した様々な樹木が多く繁茂し、色とりどりの花々が咲き乱れ、それらの間を美しい蝶やトンボが飛びまわっていた。清らかな水の流れを眺められる団体席のテーブルは、巨大な天然木の一枚板だった。その上には既に、グラスや小皿などが配置されていた。
 広いメインステージには、アコースティック楽器を演奏できるロボット五十台が、今や遅しとスタンバイしている。テーブルの上のリモコンを操作すると、大昔の地球の音楽の、素晴らしい生演奏が始まるのである。
「ところで、五光年先の惑星から去年戻った探査機が、未知の物質を持ち帰っていたらしいですね」
 着席するとすぐに、柚里は隣の席の市川に云った。
作品名:Over the rainbow 作家名:マナーモード