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キツネ目をつかまえろ

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「ああ、星が随分見えていますね。あれを宝塚へ持って行ったこともありましたけど、大きすぎて顰蹙を買いました。結城はそれを取りに行った。超高性能なので、肉眼では見えない星雲だって見えますよ」
そう云いながら室内から戻った結城は、銀色の大きなものを早川に渡した。
「これはかなり明るくて視野が広いから、迫力がありますよ」
「そうでしょうね。高いんでしょうね」
 大きな重い双眼鏡を受け取ると、むしろ眼下にひろがる夜景に、早川の心は動いた。まるでアイマックスシアターのような大画面の中に、幾つもコインパーキングが見える。その間で目立っているタクシーのハザードランプを、早川は双眼鏡の視界に入れた。そこは狭い十字路だった。車の前に男が倒れていた。早川の心臓が速くなった。
「大変だ!タクシーに人がはねられた!」
早川は顔を紅潮させて叫んだ。
「えっ?!本当ですか!急いで警察に通報しましょう。あのハザードのところですね。あの辺りだと、二丁目ですね」
 意地悪く曲がり角に丸い大きな石が置かれていた。早川はその石の形を憶えていた。
「二の十五です!二日前に私も、あの近くに住むお客さんを乗せて来たんです」
「そうですか!二の十五ですね。電話します」