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キツネ目をつかまえろ

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「じゃあ、終電の時刻を過ぎたところですね。私もこの時間は休憩の時間です」
「コクトーさんも、姉さんと同じだよ。タクシーが仕事なんだよ。知ってた?」
「知っていたわ。マイフレンドだったから……」
「最近日記書いてませんね。どうしたんですか?」
智織は早川の質問に応えなかった。
「……パソコンの中から人が出て来たみたいで、戸惑いますね。あっ、もう休憩はおわりよ。最後の追い込みだから、もう行くね」
腕の時計を見た智織がそう云うと、
「もう?来たばかりだろう」
幸洋は不服を露わにする。
「いいの。あなた、また急にどこかへ消えたりしちゃ、だめよ。じゃあ、お元気で」
智織が早川の眼をまともに見たのは、そのときが初めてだった。
「心配して見に来てくれたんだね。今度はちゃんと断ってから行くよ。姉さん。事故ったりしないで、頑張ってね」
「わかった。じゃあね。幸洋。さようならコクトーさん」
「はい。頑張ってください。ポニーさん」
早川がそう云うと、智織は非常に難解な、複雑な表情を再び見せた。