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天使と悪魔の修行 前編

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「さあみなさん、今日のお勉強は人間たちの幸せと不幸せについてです」
「はあーい」

 ヨーフル先生の言葉に生徒のみんなが一斉に返事をしました。

「それでは、皆さんは、人間たちはどんな時に幸せだと感じると思いますか? 分かる人は手を上げてぇー」
「はあーい!」
 エンゼルのエンタくんが一番に手を上げました。

「はい、じゃあエンタくん。答えて下さい」
 ヨーフル先生が指差すと、エンタくんは元気に立ち上がって答えます。
「はい。ぼくは、人間たちはお腹いっぱいに美味しい物を食べたときに幸せだと感じると思いまーす」
「はい、エンタくんありがとう。そうですね。そんな時にも幸せって感じるでしょうね。他にはありませんか?」

「はぁーい」
 今度は¥ジェルちゃんが手を上げました。

「はい、¥ジェルちゃんどうぞ~」
「はい、私は大好きな人と一緒にいられる時が一番幸せなんじゃないかなーって思いまーす」
「はい、¥ジェルちゃんありがとう」

 ヨーフル先生はそう言うと、にっこりと優しく微笑んでくれました。

「さあ、みなさんはどう考えますか? 確かに食事ができることも幸せだし、大好きな人と一緒にいられることも幸せですね。では、逆に不幸せだと思うことってどうかしら?」

「はーい! その反対だと思いまーす」
 悪魔のあっく魔くんが元気よく答えました。

「そうですね。では、今日のみなさんへの宿題です。いいですかあ、ようーく聞いてね。エンゼルのみなさんは、人間たちが幸せだなあと思えることをしてくること。悪魔のみんなは、もちろんその逆です。宿題の提出期限は二週間ですよ。ちゃんと遅れないようにレポートを提出すること。では、今日の授業はこれでおしまいです。それでは皆さん宿題頑張ってね」

 そう言うとヨーフル先生は、みんなににこやかな微笑を残して教室を出て行ってしまいました。

 これからクラスのみんなは思い思いに人間の世界へ行って、先生の宿題を果たさなくてはなりません。天使たちはそれぞれ準備を整えて、虹の大橋を滑り台のように滑って降りていきます。そして悪魔たちは、稲光に飛び乗って目的地へと向かうのです。

 どうしても雨が降ったあとに虹が出るので、地球に到着するのは悪魔たちの方が早いんです。悪魔たちが先に旅立ち、その後に出た虹を滑って天使たちは地上へと向かいます。