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嘆きの運命

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次の日は、前日の夢の中での約束が功を奏したのか、2人の夢は見なかった。
それなのに何故か、夜中に突然ハッ!と目覚めた。

「んん?どうしてこんな時間に俺は目が覚めたんだろう?」

寝ぼけた頭でそう考えた時、ふいに何やら気配を背後に感じて、ぐるっと頭を巡らせた。

「オォーーーッ!? あ、あんた、誰? 一体なんでここにいるんだ!ここは俺の家だぞ!!」
驚きと怒りから、岩沢は一気にまくし立てた。
「一体どこから入ってきやがった! 不法侵入で警察に突き出してやる!」

岩沢が驚くのは無理もないことで、戸締まりに抜かりのない岩沢にとっては、自分の枕元に立つ老人は、どう見ても怪しい人物としか見えなかった。


「これ、慌てるでない。ようく見てみぃ。このわしが、そんな怪しい者に見えるか?」

やけに落ち着き払ってそう言う老人を、改めて岩沢は見つめた。

頭は白髪で長め、ブラシを入れたことが無いんじゃ?と思えるほどにぐちゃぐちゃで、着ている物はと見れば、薄汚れた白い着物を、まるで垂らすように引き摺っている。

『この年寄り、どっからどう見てもホームレスにしか見えない』

それが、岩沢が目覚めた時に見た、その老人の第一印象だったが、言われて改めて見直したが……、うーん、やっぱり同じだった。
ただ風変わりな杖を突いていた。

少し冷静さを取り戻した岩沢は、相手に敵意がないことを悟ると、高飛車な口調でこう言った。

「おい、じいさん。どう見たってホームレスにしか俺には見えないぜ。一体どこから入り込んだんだ? 正直に言えば、警察を呼ぶのだけは勘弁してやってもいいぜ。どうなんだ?」
作品名:嘆きの運命 作家名:ゆうか♪