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夢の途中2 (49ー86)

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銀盆にコーヒーカップを載せて現れたマダムは思いの外、
長身だった。
恐らく165センチは優にあるだろう・・・
いや、ひょっとすると170以上かもしれない・・
体格は太からず細からず、丁度良いと云うところか。
顔立ちはすっきりとした和風の感じで、女優の【高島礼子】に少し似てる・・・・
かなりの美形に違いない。
歳は・・・・
優一は女性の歳を予想するのは苦手だった・・・
若いと思えば結構いってるし、その逆もしかりだった。
先ほどのリーディンググラスはチェーンで首に繋がり、彼女のエプロンの前にぶら下がっていた。
多分、リーディンググラスを必要とする年齢だとすれば・・・
自分とさほど変わらない50歳前後と予想した。
尤も、その予想が当ってるか外れているか確認のしようはなかったが・・
『お客さん、今、私の事、大きい女だなぁ~って思ったでしょ?^m^』
「あ、いや、そんなことは・・・うん、でも、思った(#^.^#)・・
だって、最近の若い子なら兎も角、僕らの年代なら女の子で160もあれば大きい方でしょ?だから元モデルさんかと思ったよ♪」
『まあ、うまい事切り抜けたわねぇ~♪(^.^)
いや、ちょっと待ってぇ、その前に・・・「最近の若い子なら兎も角?」・・  (ーー゛)・・・アウト!・・・・うふふ♪冗談よ(^_-)-☆
さあ、冷めないうちに召し上がれ♪』
(う~ん、中々面白いママやな♪(^^♪)
優一はこの女主人が淹れたアメリカンのすっきりした香りを楽しみながら味わった


ママと暫く会話を楽しんでいると、作業服姿の古畑が店に入って来た。
「部長、すみません、遅くなりました!(@_@。」
「ああ、古畑君久しぶり♪(^^)/
僕もさっき着いて今、この美人ママさんとおしゃべりを楽しんでいたところだよ。(^。^)y-.。o○
なんならもう一時間程遅れてくれても良かったんだが^^;・・」
『あら、古畑さんのお知り合いなの?(^0_0^)じゃあ夢島建設の?』
「ええ、ママ、こちらウチの本社の林部長です。今日は今度ウチがやるバイパス工事の現場視察に見えたんだよ。」
優一は席から立ち上がり、襟元を正した。
「改めまして、夢島建設の林と申します。<(_ _)>」
『ご丁寧にありがとうございます。私、花田香織と申します<(_ _)>』
香織は優一に深々とお辞儀をした。
優一も180センチ近い長身、香りも女性にしては長身の170センチ近かった。
二人と比べ古畑の身長は160センチに満たなかった。
「あのォ~、お二人の会話が上の方で聞こえるんですがねぇ^^;・・」
『あら、ごめんなさい♪(#^.^#)古畑さんもお座りになって♪
古畑さん、【何時もの】で良いわね♪』
「はい、おねがいします(^^)/、部長、長旅ご苦労様です<(_ _)>お疲れになったでしょう?」
「ナニ言ってるんだ、久々の道央だ、JRでゆっくり楽しませて貰ったよ(^_-)
君は前からこの店には通っているのか?」
「ええ、ここのバイパス工事の受注が我社に決まってからですが、駅前には案外こんな落ち着いた店はないんですよ。
居酒屋か大手のコーヒーチェーンだとかハンバーガーショップはありますが・・(+_+)」
「そんなところじゃゆっくり【油も売れない】ってことだな(^_-)」
「あ~、図星です^^;・・部長には負けますよォ~^^;・・」
「そんなことはないよ(^。^)y-.。o○
今じゃ俺達【土建屋】も情報戦だ、箱モノ行政否定のこのご時世、生き抜く為には地元に密着した情報を如何に他社より早く入手するかに掛ってるんだ。
札幌支社のデスクにのほほんと座ってちゃ、仕事は転がりこんでは来ないよ」
香織は古畑のブレンドコーヒーを点てながら、男二人の話しぶりに強い絆を感じとってい














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章タイトル: 第10章 黄昏前に 2008・春


優一は古畑の車でバイパス予定地を視察して回った。
バイパス道路は駅前を走る幹線道路と、5キロ離れた国道〇号線を結ぶ予定だ。
道路予定地は市内を東西に流れる渡部川沿いの堤防を拡張し、途中の雑木林を突きぬけて行く。
藤野市周辺は太古の昔、凍土であった土地が、融解・凍結を繰り返すうちにできた【丘陵地】と云う特殊な地形で、
幾つものなだらかなグラデーションの小高い丘陵地に囲まれていた。
その丘陵地に7月中旬にもなれば、ラベンダー畑を中心に色取り取りの花々がまるで虹の様の咲き誇ることで云うことで有名だった。
『地権者との話に、もう問題は無いんだな?』
「ええ、大方は渡部川の河川敷きですから、国交省の管轄ですし、問題無く済みました。
拡張する分は堤下の農地を買収する事になりましたが、これも国交省の役人と藤野市の市会議員が根回しして今のところ問題はありません。
現在は【県道扱い】ですが、完成後には確実に【国道】に昇格する訳ですから、国交省がメインになってやらない訳にはイカンでしょう」
『ま、民間のマンションを建てるのとはわけが違うからな・・
処で、有名なラベンダー畑はまだ時期が早いのかな?』
「ええ、まだ少し早いようですね・・でもあと一週間もすれば紫の濃い早生のラベンダーが開花するようです♪
有名な虹の様な色違いのグラデーションは7月中旬以降のようですが♪【喫茶・ラベンダーの香り】のママが言ってました^^;・・」
『なる程、それは楽しみだな♪(^。^)y-.。o○』
「処で部長、あの喫茶店のママ、中々の美人でしょう?」
『ああ、美人の上に背が高くてスタイルが良いから、元モデルさんかと思ったよ♪ 地元の人、なんだろ?』
「いや、そうじゃないらしいですよ。駅前の煙草屋の婆さんの話だと、あの喫茶店5年前までは別のもう少し年配の夫婦がやってたようです。その夫婦が以前から老後はニュージーランドでと考えていたらしくて、どいう繋がりか分かりませんが、今のママが居抜きで買ったようです。」
『夢島建設のCIA、大した情報網だな(^。^)y-.。o○』
「イヤ、そんな事はありませんよ^^;・・あ、部長もうすぐ、今夜お泊りの【新プリンセスホテル】です。」
古畑の運転する泥まみれのライトバンが、まるで場違いな高級リゾートホテルの豪華な車止めに乗りいれた。


『プリンセスホテルグループ』は日本全国に80か所以上のシティー、リゾートホテルを有する日本一のホテルチェーンだ。

当地藤野市への進出もプリンセスが最初で、それに倣って他のホテルグループが進出したと言っても良いだろう。
プリンセスグループは10年前に藤野市駅側に「新プリンセスホテル藤野」をオープンし、その5年後新たに藤野スキー場に近い南藤野側に「新プリンセスホテル・藤野リゾート」を展開した。
「では部長、明日は9時にお迎えにまいります。」
『ああ、古畑君、宜しく頼むよ』
古畑と別れ、改めてホテルのロビーを見渡すと、日本一の老舗ホテルグループだけあり、豪華な吹き抜けのロビーは5階分くらいの吹き抜けになっていた。
そして磨き抜かれたシャンデリアの眩い光で満ちている。
作品名:夢の途中2 (49ー86) 作家名:ef (エフ)