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美しい皺

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   ぼくは地元のカラオケボックスではたらいてるんですが



土地柄?場所柄?かは わかりませんが高齢者がたくさん


お客さんとしてきます。


そんなおじいちゃんおばあちゃんたちを見ながら

いまの高齢者問題をかんがえてみたりして・・・・


 今日のお昼にとても小さなおばあちゃんがお店にご来店

ですがそのとき一階は満室だったので

二階に案内することになりました


しかしどうやら足が悪く

エレベータのないうちでは階段で二階にあがるので

手すりをもってうんせうんせとゆっくり上っていたので・・



僕は手を差し出し片方の手をギュッと握りました

すると可愛い声で「キャっ★」と言いながら恥ずかしそうに

「ありがとうなおにいちゃん」としわしわの顔を

さらにくちゃくちゃにして笑いました。

握った手は柔らかくてシワの線が妙に心地よく

僕の手より小さくて弱々しい手は

僕の手よりも温かく美しく思えました

そしてそのまま部屋まで一緒にゆっくり歩きました。



そのおばあちゃんは帰るときも

しわしわにこにこして何度も「ありがとうな」と言い

その顔はまるで恋しをた少女のように赤くてキュートで



ときめきました★

今まで感じたことのない種類の温かいトキメキ


おばちゃんに刻まれた

沢山のシワは今まで生きてきた中での

希望や夢、喜び 悲しみや、挫折なんかが

たくさんえがかれてるんだなと

帰り際の小さな背中をみながらしみじみ思いました。


お年よりも百人百様ですが

シワというものは

本の文章のように

絵の繊細な線や大胆な線のように


たくさんの物語があるんだなと触れることで

知ることが出来ました。




ぼくたちは
これからいくつの物語というシワを

つくれるのでしょう・・・


作品名:美しい皺 作家名:junzo7