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今日は七夕

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今日は七夕。いつもは気にしない星空を気にする日。願い事を書いた短冊を笹に結んでお願いする日。織姫と彦星が出会える日。まぁこれはホントの話じゃないけど。
 朝飯を食いながら天気予報を見る。降水確率は40%。どうやら今日はずーっと曇りっぱなしらしい。せっかくの七夕だっていうのに。そんなわがままがお天道様に通るとは思っちゃあいないけど、できることなら晴れてほしかったね。
 まぁ七夕をそんなに気にするような年でもないし。別にどうでもいいといえばどうでもいいのさ。
 今日も満員電車に揺られて通勤。いつも通りの風景。騒がしくて窮屈で、なんとも暑い。なんてったってもう7月。クーラーはあるんだろうけど、満員電車は暑い。これじゃ会社につく前に疲れちまう。
 なんで俺は2時間近くかけて通勤してるのかねぇ。面倒くさいったらありゃしない。この会社に就職することを選んだ数年前の俺を恨むばかりだ。
 さて、会社に到着。クーラーの効いた社内は最初は涼しいけど、しばらくすると寒くなってくる。部長が暑がりで、妙にクーラーの温度を下げるのだ。腹立たしい。お前以外のやつは皆寒がってんだよ!って言ってやりたくはなるけど、そんなこと言おうものなら俺の首が飛びかねん。上司は怖い。
 というわけで、今日も俺は寒いオフィスで仕事をこなす。
 昼飯を食いに行こうとしたら、雨が降り出した。鞄から折り畳み傘を取り出す。折り畳み傘は小さいから、鞄が濡れる。鞄を濡らさないようにすると、体が濡れる。どうにかならんもんかねぇ。それなら普通の傘持って来いよって話か。
 昼飯はいつもの牛丼並盛。安いし美味いからね。自家製弁当のほうが安いんだろうけど、それを作るほど俺の朝に余裕はない。独身だから愛妻弁当なんてないし。
 午後もかったるい仕事をこなし、気付けば夜の6時。もう帰ってもいいよな、と勝手に判断して会社を出る。
 午後の仕事の間に雨は止んでいたようで、地面は少し乾いていた。水たまりに足を突っ込みながら、ぶらぶら歩く。夏ってことで空はまだ明るい。少し晴れ間が見えた。
 電車に揺られて家の最寄駅まで。通勤電車ほどには混まないが、それでも満員に近い。夕方でも暑い。朝よりはましだけどさ。
 さて、ようやく家に帰還。もう8時を過ぎている。冷蔵庫から缶ビールを出し、ジョッキを出すのが面倒なので、そのままグビグビっと。美味い。疲れにビールが染み渡る。アルコールが巡る。
 ちょっと暑いので、窓を開けてベランダに出てみた。どういうわけか晴れていて、夜空に星が瞬いている。天気予報は大外れってわけだ。いい気味だぜ。
 天の川も見える。案外星って明るいのな。いつも空なんて見ないから気付かなかった。たまには星空観賞もいいもんだ。来年も見られるといいな、天の川。
作品名:今日は七夕 作家名:うろ