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七月吉日

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高校時代、出席番号で席が隣になった。
なんて言ったっけ。あいつの名前は。

「横田、お前昨日も遅刻したろう。なにやってんだ、お前一人が遅れただけでどれだけの損害がでると思ってる?少しは社会人としての自覚を-」
狭いオフィスに怒声が響く。
それを俺は、小耳に挟みながらパソコンを弄っていた。
「すいません。次からは…」
「次は無いと思いなさい、次は」
そう、締めくくって部長の説教は終わる。
全く持っていつも通りだ。
横田が肩を落として、俺の隣の自分のディスクに戻るのもいつもの事。
「ちょっと…、岩田さんのせいっすよ今日の遅刻は」
「へ…?」
「昨日遅くまで付き合わされた俺の身にもなって下さい」
昨日一緒にビアガーデンに行った事を指しているのか。
確かに長い時間つき合わせたが…
「いやあ、俺、遅刻してねえし。自己責任じゃね?そこは」
「まあ、そうっすけど」
『こら、横田うるせえぞ』
また部長から野次が飛ぶ。
「すいません」
横田はバツが悪そうに謝った。
「何で先輩は怒られないんですか!」
「ん?業績優秀だから。あと、俺から話しかけてないから」
「まあ、そうですけど…」
そう言ったきり横田は自分のディスクに向かい、仕事を始めた。
パソコンの隅の日時をみると、7/4/09:45とあった。
「なあ、あと三日で七夕だな」
今度は俺から話しかける。
「ん?あ…、はい!そうっすね、なんかあるんすか?予定とか」
「予定…はないよ」
希望ならあるけど。
「へえ、以外っすね先輩なら彼女の一人や二人いそうなのに」
「二人って、俺お前ん中でどういうキャラなの?」
「そりゃあ―」
『横田、給料下げるぞ』
二度目の野次。部長、多分本気だ。
俺は横田の身を案じて喋るのを止めた。横田は俺に苦笑を見せて
今度こそ本気で仕事に戻った。
オフィスには不規則なタイピング音と微かな空調の音だけが響く。
後三日で七夕だ。俺は頭の中でそう反芻した。
作品名:七月吉日 作家名:nanawo