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第一章 第五話 たどり着いた先は

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幾多の荒波と連合軍の砲弾をくぐりながら俺達は「フィリピン」にたどり着いた。
長旅だった船旅はじりじりと皆の精神を蝕んでいた。
自殺願望者がナイフを腹に刺そうとしたり、海に飛び降りようとしたり、毒を盛ったり盛られたり・・・
そんなこんなで仲間が一人、また一人いなくなり、とうとう俺を含めて20数名となった。
あんなにたくさんいたのに・・・・
あぁ、向こうにおいてきた仲間たちは大丈夫だろうか。
俺達は何とか助かった。
だからお前たちも助かってくれ。


そして俺達はジャングルを駆け回り駆け回り駆け回り幾度の太陽を見かけたが一向にさまよい続けている。
後ろからヴェ~~と力ない声が聞こえた。
「ねぇ、本当にこっちであってるのかな?」
「イタリア兵も見ないし日本兵も見ないしっていうかここ人いるの?!」
と、キイキイ言う人も出てきた。
はっきしいってうっとおしい!
「もう!皆シャキッとしてください!」
一宮が叫んだその時だった。
アハハハハ アハハハハハ
「あれ?ねえ皆ちょっと静かに!」
チェルグが大声で言った。
アハハハハ アハハハハハ
「なんか聞こえるぞ。」
ザワザワと皆耳を澄ましながら話していた。
「こっちだ!」
チェルグが走り出した先は――――――――


笑っている兵士達と一組の漫才師だった。