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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ファントム・サイバー

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《1》

 街中の?ゴースト?たちが無差別に襲われている。襲っているのは黒い狼団。
 刃向かう者は容赦なく破壊し、弱い者はトラックに詰め込みどこかに攫っていく。彼らの目的はこの世界の破壊と、新たな世界の構築。黒い狼団を束ねる者の名は大狼君。
 世界の破壊なんて、あたしは絶対に許さない。
 もう失うのは嫌。壊されるのは嫌。だからあたしは戦うと決めたの。
 あたしは隙を見てトラックの荷台に乗り込んだ。
 ?ゴースト?たちがあたしを見てる。
「オレのことは黙っていてくれ、あとで必ず助ける」
 あたしは?ゴースト?たちに紛れて、トラックの奥に身を隠した。
 トラックが走り出し、たぶんアジトに向かってるんだと思う。
 ……きゃ!
 暗がりの中で誰かあたしのお尻さわった。もぉやんなっちゃう。まるで満員電車みたい。
 トラックに揺られて、どのくらい経ったんだろ?
 停車して、また走り出さないと思ったら、急に荷台の扉が開かれた。
 眩しい光であたしは目が眩んだケド、不意打ちするなら今だと思って、勇気を出して飛び出した。
 戦闘員の頭を踏み台にしてあたしは飛んだ。
 ロングコートを靡かせながら着地して、しゃがんだまま辺りを見回した。
 戦闘員たちがコッチを見てる。
 本当はイヤなんだケド、ヤルしかないかなぁ。
 あたしは両脇に差している刀を抜いた。
 戦闘員の数はざっと七匹。ほとんど黒だケド、一匹赤いヤツが混ざってる。あの赤には気をつけなきゃ。
 背の高いビルに見下ろされる中、あたしはアスファルト力いっぱい蹴り上げた。
 電磁ロッドを構える戦闘員を狙い、まずは一撃を喰らわせた。
 切っ先が戦闘員の胸を撫で斬る。
 ヤダ、もぉまたコートに血がついたぁ!
 なんで血なんて噴き出る仕様になってるんだろ、いらないのに。
 すぐそこに迫っていた戦闘員の頭に回し蹴りを喰らわせ、真後ろにいたヤツには刃をお見舞いした。
 これで三匹。
 黒戦闘員は下っ端だから、少しのダメージでプログラムが破壊してくれる。
 問題はあの赤い奴だ。
 赤戦闘員の真横に待機していた二匹の戦闘員がハンドバズーカを撃った。
 撃たれた弾が普通の弾じゃないのは知ってる。六本の脚が生えた蜘蛛型のワームだ。身体に取り付かれたら、あたしが破壊されちゃう。
 飛んできた蜘蛛を真っ二つに斬って、もう一匹は……あっ、踏み潰しちゃった。でもいいや、壊せたし。
 後ろから飛びかかってきた戦闘員の股間を踵で蹴り上げて、あたしは赤戦闘員に刃を向けた。
 横にいる二匹なんてあたしの敵じゃない。
 シンメトリーを描いて二匹同時に首を刎ねた。
 いやん、もぉたくさん血が吹き出してるし最悪。
 血が目晦ましになっちゃって、赤戦闘員のこと見失っちゃった。どこにいるの?
 後ろから気配を感じる。早い!
 顔面を殴られそうになってあたしはしゃがんで躱した。そこに回し蹴りを喰らって脚を掬われちゃった。
 尻餅を付きそうになったケド、どうにか刀を地面に突き立てて堪えて、残った刀を思いっきり投げつけてやった。
「キーッ!」
 怪鳥みたいな叫び声をあげて、赤戦闘員は背中から倒れた。そして、跡形なくこの世界から消えた。 
 赤いのって黒に比べて三倍の戦闘力があるんだもん。油断すると危ない危ない。
 さてと、まずは?ゴースト?たちかな。
 あたしはトラックの荷台を覗き込み、?ゴースト?たちに声をかける。
「もう心配ない。辺りに戦闘員たちはいない今が逃げるチャンスだ」
 荷台の中から?ゴースト?が出てくるのを確認して、あたしはその場を後にすることにした。
 この近くにアジトがあるハズ。あたしが調べた情報によると、どこからか地下に行けるハズなんだケド……。
 トラックが止まってるのがココだから、コッチかなぁ?
 あたしは裏路地に入って、ビルとビルの間を歩いた。
 行き止まりだ。
 足元にはマンホールがあるケド、コレかな?
 ヤダなぁ、下水とか臭いもん。でも、行くっきゃないよね。
 がんばってマンホールを開けてハシゴを降りた。悪臭はしないみたい。
 地下に降りてみると、下水じゃなくて線路みたい。でもなんか使われてる雰囲気しない。
 ……アレ?
 向こうから明かりが見えるケド、もしかしてあそこが入り口?
 あたしは闇に身を隠しながら明かりに近づいた。
 扉の前に戦闘員が立ってる。退屈そうにしてるから遊んであげようかな。
 足元にあった石を拾い上げて、遠くに投げ飛ばした。
 石が落ちた音に戦闘員が気を取られているうちに、あたしは刀を抜いて全速力で駆けた。
 戦闘員があたしに気付いて振り向いたケド遅い。刃はすでに戦闘員の首に付けつけてあった。
「首を落とされたくなければ、大人しくしろ」
「キー」
 いつもより語尾が下がってるから、観念したってことかなぁ?
「それではドアのロックを解除してもらおうか」
「キーッ!」
 戦闘員は首を横に振った。
「言うことを聞かないなら、首を落とす前にまずは……」
 もう一振りの刀を抜いて戦闘員の……いやん、股間が目に入っちゃった。全身タイツでそこだけモッコリしてるんだもん。えい、ここに刀突きつけちゃえ!
 股間に刃を突きつけられた戦闘員は震え上がった。
「キーキーッ!」
 そしてドアについてるボタンを押してロックを解除した。
「もう用済みだ」
 あたしは柄の底で戦闘員の首の後ろを強打した。おやすみな〜い。
 気絶した戦闘員を残してあたしはアジトの中に侵入した。
 金属の廊下を静かに走り、大狼君の居所を探した。
 サイレンが急に鳴りはじめた。
「……っしまった」
 天井に防犯カメラが仕掛けてあった。
 ええっと、防犯カメラを叩き切って、姿を晦ませることにしよう。
 カメラを壊してあたしは身を隠しながら先を急いだ。
 戦闘員の影だ!
 あたしは即座に身を隠し、近くにあった部屋に忍び込んだ。
 部屋の中にも戦闘員たちがいるじゃん!
 あたしは身を伏せて、床を這いながら移動した。
 この部屋では何かの研究をしてるっぽい。だって、戦闘員に混ざって白衣を着てる人がいっぱいいるもん。
 なにしてるんだろ?
 人が入れそうなカプセルがいっぱい並んでる。冬眠装置なん不必要だし、人間を移動させる装置?
 部屋の奥から戦闘員に引っ張られて?ゴースト?が連れて来られた。カプセルの数は五個、それと同じ数の?ゴースト?が連れて来られたみたい。
 あたしがジッと見てると、?ゴースト?はカプセルの中に押し込められ、フタが閉められて閉じ込められた。
 白衣を着てる人たちが慌しく動きはじめた。
 いったいなにが行なわれるんだろう?
 白衣を着た男がスイッチのレバーを降ろすと、装置が火花を散らして揺れはじめた。
 時報みたいな音が聴こえる。
 ポン、ポン、ポン、ポーンっと同時にカプセルのフタが開き、大量のスモークが流れ出した。
 スモークの奥に黒い影が見えた。
 ……あれは、戦闘員だ!
 中に入ったハズの?ゴースト?が、出てきたら戦闘員に変わってる!?
 もしかして、戦闘員の生産マシーン?
 だとしたら、今まであたしが戦ってきた戦闘員って、みんな?ゴースト?だったの?