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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ファントム・サイバー

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 さてと、楽しませてもらうか。
「可愛がってやるぜ美男子さんよぉ」
「刀の錆にしてやる」
「ケケッ、やれるもんならやってみな!」
 刀の錆か……ならこっちはアイアンクローで返り討ちにしてやるぜ。
「十文字斬り!」
 なかなかのスピードで二刀流がオレ様に襲い掛かってきた。だが、まだまだだな。
 ギンギンに金属音を鳴らしながら、二発同時にクローのツメ受けた。
 クソッ、コイツ刀に力入れてやがる。こっちが刀を受け止めたハズが、こっちの動きも止められてるぜ。
 ガチガチ刀とクローが歯軋りをする。
 別の手で行くしかねえな。実際、出すのは足だけどよ。
 オレ様は足の裏で美男子の腹を抉った。
「クッ!」
 歯を食いしばった顔もいい顔してるぜ。
 こいつがよろめいた隙にオレ様は?隠しフォルダ?からエレキギターを出した。戦闘仕様の特注だ。
 立ち上がろうとした美男子の顔を、エレキの側面でぶん殴ってやった。
 ケケッ、痛そうな顔して転げまわってやがる。
 続けてこいつの背中にクローを振り下ろしてやった。
 背中が抉れ血が吹き出した。
 ここで止めを刺してやる。
「骨のねぇ奴だ。もう飽きたぜ!」
 膝を付いて立ち上がろうとする美男子の前に立って、オレ様はエレキを掻き鳴らした。
 ソウルのこもったガンガンの演奏を聴きな。
 エレキから発せられた電磁パルスが美男子の自由を奪う。
 安心しな、最低出力だ。ちょっと身体が動かなくなるくらいだ。
 ここまで攻め込んできたわりには呆気なかったな。
 戦いが終わったとこで大狼が口を開く。
「留めは刺すな。口が聞けるようになるまで隔離フォルダに入れて置け」
「キーッ!」
 戦闘員どもが美男子を連れて行く。
 この部屋に残ったのはオレ様と大狼だけだ。
「これからどうする大狼?」
「被害状況を確認。ナイから情報を聞き出す。あのサムライが口を聞けるようになったら情報を聞き出す」
「情報はオレ様が聞き出す」
「私がやる」
「情報を独り占めする気かよ?」
 この世界は情報が全てだ。情報を制するものがこの世界を制するって言っても過言じゃない。
「情報を独り占めしたいのは貴様だろう」
「……ケッ」
 大狼が動く前にどうにかしてやるぜ。
 いつまでもナンバー2に甘んじてるオレ様じゃねえ。
 オレ様は大狼に背を向けて部屋をあとにした。

《2》

 大狼の野郎より先にガキから情報を聞き出してやる。まずは大狼に気付かれねえように、監視カメラに細工をしなきゃいけねぇーな。
 このアジトのシステムは全て大狼が握ってやがる。ちょっとでもしくじればすくにアウトだ。これまで何度かシステムにアクセスしてやろうとしたが、危なくなって大狼にバレる前にやめた。
 今日こそ絶対防犯システムをクラックさせてやるぜ。
 さっそくオレ様がシステムにアクセス開始しようとしたときだった。サイレンがガンガンに響いた。今度は誰が来やがった?
 共有システムにアクセスすると、廊下で爆発があったらしい。だが、防犯カメラに人影は映ってない。オレ様でもムリだった防犯システムの改ざんをしたのか?
 そんなバカな、オレ様にできないことを誰ができる?
 できるとしたらシステムを握ってる大狼くらいだ。けどよ、大狼がそんなことをして何の意味がある?
 オレ様を欺くためか?
 ヘッドフォンに大狼からのボイスチャットが入った。
《侵入者だ》
「防犯カメラには映ってないぜ?」
《X−(存在+事象)=原因だ》
「なるほどな」
《それに防犯システムには引っかからないが、戦闘員たちの視覚なら捉えられるらしい》
 作戦変更だ。この混乱に乗じない手はないな。
「オレ様もその侵入者とやらを探すぜ」
《好きにしろ》
 一方的にボイスチャットを切りやがった。
 はじめっから侵入者探しなんてする気なんてねえ。オレ様の目的はあのガキだ。
 爆発音が聴こえた。侵入者はなかなかハデにやってくれてるらしいな。
 もうコソコソやる必要はないな。オレ様は決めたぜ、大狼とおさらばするときが来たみてえだな。
 オレ様は自室を飛び出して隔離部屋に向かって走った。
 戦闘員どもは大慌てだな。おっ、また爆発音が聴こえたぜ。
 防犯カメラに映ってることも気にしないで、オレ様は隔離部屋のドアを蹴破った。
 ロッカーの形に似たフォルダが並んでやがる。ここに美男子とガキが入れられてるハズだ。
 開いてやがる。美男子が入ってるハズのフォルダが開いてやがるぜ。謎の侵入者が逃がしたに違いねえが、ここまで開けやがるとはな……。
 侵入者がどんな奴か興味が湧いてきたぜ。
「そこに誰かいるんでしょ、ここ開けろバーカ!」
 あのガキの声だ。美男子は逃げたってのに、こいつは置いていかれたらしいな。
 オレ様はガキの入ってるフォルダを蹴っ飛ばした。
「オイ、オレ様がここから出してやろうか?」
「早くだしてよ!」
「おう、今出してやるよ。けどよ、自由にはしないぜ」
「ハァ?」
「オレ様と一緒に来てもらうってことだよ」
 フォルダのカギはあらかじめ登録した人間しか開けられない。それはここをオレ様が開けた途端、大狼に裏切りがバレってことだ。
 そんなこと気にしちゃいねえ。オレ様はファルダを勢いよく開けた。
 その瞬間、ガキがオレ様に飛び掛って来やがった。
「クソ、何しやがる!」
「よくもウチをこんなところに閉じ込めて、とにかくシネ!」
「クソガキがっ!」
 オレ様の首を絞めるガキを振り飛ばして、すぐにポケットからある物を取り出した。小さなボタンのついたスイッチだ。
 嫌たらしい顔でオレ様は勝ち誇った。そしてボタンを押した。
「イヤーッ!」
 ガキが悲痛な叫びをあげて地面に両手をついた。身体は振るえ、今にも口から泡を吐いて死にそうだぜ、ケケッ。
 これは拷問具のスイッチだ。ガキが首につけてる装置は力を抑制するほかに、このスイッチで電磁パルスを発生させてガキの身体に電流を流す。今は手加減してやったが、やろうと思えばすぐにでも殺せる。
 オレ様がスイッチから手を離すと、ガキは震える身体を押さえてオレ様を睨みやがった。
「シネ、このモヒカン野郎!」
「まだ威勢たっぷりだな。まだまだ電流が物足りないか?」
「……バカ、シネ、この変態サディスト!」
 オレ様は鼻で嘲笑ってまたスイッチを入れた。
 すぐにガキは床でのたうち回って悶絶する。苦しそうないい顔してるぜ、ケケッ。
 スイッチを切ると、床にうつ伏せになって息を切らせてやがる。
「大人しくオレ様の言うことを聞くんだな」
「変態ロリコンの言うことなんか聞くもんか!」
「強情なガキだ」
「ガキはお前のほうだ。ウチのこと甚振って、そんなに楽しいの?」
「うっせいガキ!」
 すぐにまたスイッチを入れた。今度は少し出力を上げた。
 床をバウンドして振るえてやがる。
 あんまりやりすぎるとメモリーに障害が出るからな、このくらいにしといてやるか。
 これだけやったのにまだ意識があるなんてな。それにこの姿が偽りだったら、とっくにそれが剥がれてるはずだ。この姿が何も偽ってないこいつの本当の姿ってことか?