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私は神
…ほんとだよ

この、ろくでもない世界の神


この蒼い星をつくってから
もう何十億年生きただろう
毎日毎日　私に祈りばかりをする人間達

金持ちになりたい
あいつを呪ってください
好きな人と結ばれますように
身長がのびますように
志望校合格！…


皆　自分の事ばかり
どれもこれも自分で努力する気は無いのか

誰かが笑顔になればその後ろで
涙をながす者がいると分からないのか

でも　皆の祈りを受け入れるのも受け入れないのも　私の仕事だから
仕方ないのだから

ほんとうに願う者は誰もいないのだ
貧富が無くなる世界を
想い人の幸せを　　　　　…世界の平和を
願う者は…誰も　誰もいないのだ

そう思うだけで　絶望するには十分
私は　くさっていたんだ

そんなとき　祈りではなく　私に話し掛けてきた少年がいた
その少年は私を見つめて言った


泣かないで、かみさま
かみさまは　誰も端っこで泣かないようにって
地球を丸くしたんでしょう？
だから、泣かないで


…私は　その笑顔に救われたような気がした



私は神
この、ろくでもない素晴らしき世界の　神


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(あとがき→)