紫紅の雲の色
あれは何の夢だったのだろう
昔を生き直す夢だったし
見ず知らずの所で生きる夢だった
外はもう薄明るい
眠たい目はうつらうつらとしている
立って倒れて目を閉じて
夢の中には帰れない
立って着替えて部屋を出て
車に乗ってキーを回す
少し走ると東の方が明るく見える
白い雲が段々と重なり合って
奥の向こうの深いとこに赤い日があるのが分かる
薄赤くて白くて青くて
あれは薄紫の色
進む道目にしだれ桜が見える
散りかけて
枯れかけのような桜の花
薄紅色
道はずっとアスファルトで
黒くて白くて灰色い
赤信号が点滅する
対向車のライトがふっと消えた
道を曲がって三直線
白々と煙を上げる工場が見える
赤く強くライトアップされてた煙突が
もうすでに薄暗い
帰りたい
帰ってもあの人とはもうお話しできない
ため息ついてももう色は出ない
コンビニの青い灯り
パンパンおにぎりオレンジジュース
帰って食べて布団中
パン一つで6時間
昼まで寝れたらパン一つ
夢を見るのか
また悪夢だろう
あの人は決して出てきはしない
出てきてくれたら
夢の中で安らかに死ねるのに