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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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マジェスティック・ガールEp:1 まとめ

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五章:触ると『あんしん』するんですよ―Encounter―



<1.>
 
 サンフラワ―の命令を受けた一同は、都庁舎ビル<アグリカルチュア>が所在するプラン
タリア首都――第十都市<マルクト>を出立。
 リミテッドテンの面々とミミリは、AQUA―Sを装着してから、プランタリアのコロ
ニー都市の一つ。宇宙港が設けられた第五都市<ゲブラ―>へと向かっていた。
 プランタリアじゅうに第二次厳戒態勢が敷かれたあと、街はいつもとは違う、”ある種”
の喧噪に包まれていた。
 あらゆる商業活動が停止し、喧騒に包まれていた商業地区や繁華街に軒を連ねる店舗や
百貨店も営業を中止し、シャッタ―を降ろしており、空寂しさを感じる。
 交通機関の発車ターミナルは、突然の休業に帰路を急ぐビジネスマンや人々でごった返し、バス、エクスプレス、タクシ―、エアバスなどに行列の山を作っていた。
 完全な非日常の光景。いつもの日常がとても懐かしく思えてくる。
「なんか、すいません」
無重力移動回廊を渡っている最中、ミミリがぽつりと口を開いた。
「あ―、なんでさ?」
 ヒューケインが、事も無げに返す。
「サンフラワ―・・・冶月フィラの命令とは言え、私も一緒に同伴することになってしまって」
 ミミリは、先刻の出来事を思い出していた。

 身を翻して、ヒューケインや凛を始めとする、リミテッドテンの面々が、<展望台>を後にしようとした時だった。
「あ―、そうそう。ミミリさん。貴方も彼らに同行なさい」
「私も…ですか?」
ミミリは、不思議そうに首をかしげた。
「後ろで見ているだけでいいわ。実地見学だと思ってくれればね」
「はぁ」
「ヒューケイン、護衛お願いしてもいいかしら。話はすでに、<ミストルティン>の
『リ―ン・カサブランカ三佐』に通してあるから」
 ヒューケインは肩をすくめ、
「既に根回し済みってわけね。オ―ケ―、それなら話はシンプルだ。どうせ、拒否権ないんでしょう?」
 実のところ、場慣れしていないマジェスターを戦場に連れて行くのは御免なのであったが、この管理事務次官には口では適わないとヒューケインは分かっていた。
「わかってるじゃない。物分かりがいい子は好きよ。さっきの不敬罪の告訴は取り下げて
置いてあげるわね(ニコ☆)」
「!?本気だったのかよ!いつ裁判所に申し出たんだ!?仕事早いな、アンタ!」
「うみ―み―、まぁね―。さぁさぁ、切り切り働いてらっしゃい。
リミテッドテンの活躍、期待してるわね―」
と、いつもの気だるい間延びした調子で、サンフラワ―は一同を送り出した。

       ◆

「ただ同行して来いってわけじゃないですよね。どういう意図があるんでしょう?」
 普通に考えて、あのサンフラワ―こと冶月フィラがただの見学目的で自分を同伴させる訳がない。何か別の目的があるのでは――と、ミミリは勘ぐっていた。
「さぁな。サンフラワ―に後で聞いてみればいいんじゃねぇか?」
 そう口にするヒューケインは、何も知らないといった素振りだった。
 と、そこで移動回廊が途切れた。 
 移動回廊を渡ると、連邦軍の基地エリアに出た。
 <ゲブラ―>は、軍の基地施設や宇宙港が所在する都市だ。この都市の一画には、GUC連邦統合軍の特殊部隊である、対A作戦課実働部隊<ミストルティン>の本部基地が置かれている。
 基地の下層階は、宇宙港に直接繋がっている。宇宙港は半径三キロの幅を持つ円筒トンネル状の空間になっており、外敵の侵入と攻撃を防ぐため、トンネル部分は一枚1.87メ―トルからなる特殊硬質合金で形成された二十六枚の分厚い隔壁層で覆われている。
 宇宙港の軍港エリアは、ゲ―トで境界を区切られており、その境界内には、軍または管理事務次官からの認証を得た人間しか立ち入りを許されない。
 加えて、ゲ―トは生体認証制になっており、デ―タバンクに登録された遺伝子情報が一致した人間にのみ通過が許可される。その括りで言えば、ミミリ達はその条件をクリアしていた。
 軍港のエントランスゲ―トをくぐった先。リミテッドテンの一同は、そこに会していた。
「よぉ、ご両人。お早いお着きだな」
ヒューケインは、手を上げて高速艇の前に佇んでいる二人組の少年少女に声をかけた。
 少年のほう。リミテッドテンNo.6、エンリオ・G(グラジオラス)・サフランが答えた。
「Chio!ll mio amico(やぁ、我が友)。今来たばっかだよ。
なんだぁ、そんなに美少女連れ立って。ハ―レム状態じゃないかー。羨ましい奴めー」
 エンリオは、オレンジ色の髪を刈りあげて丸めた驕奢なイタリアンボ―イと言う風情の、ガタイの良い青年だった。会話の頭にイタリア語を織り込むのが特徴でもある。
「ヘヘッ、だろぉ―?一人熟女がいるけどな」
「おいッ…」
 熟女呼ばわりされた凛が、低い声で凄む。
 二人組の片割れ、少女の方。その姿を見て、ミミリは顔を綻ばせた。
「ナズナ!」
「ミミリ!?」
 エンリオと一緒にいた少女は、ミミリがガ―デン808にいた頃、世話を焼いてくれた姉貴分、ナズナ・Z・スイ―トピ―だった。
リミテッドテンNo.8。それが今のナズナの肩書きであった。
 ミミリは、ナズナに駆け寄り、その胸に飛び込んだ。
 二人は抱き合いもつれ合って、くるりと一回転。
 ミミリは、ナズナに思い切りほおずりした。一頻りすると、胸に埋めた顔をあげて、
「お久しぶりです」
「ええ、本当に。一年間行方知らずだって聞いたけど、無事でよかったわ。でも、なんで貴方がここに?」
「えへへ。サンフラワ―の命令で、同行しろって言われまして」
「ミミリを…?ヒューケインさん、いいんですか?」
 ナズナは訝しんで、不安げな表情をヒューケインに向けた。
 何か責められている様な気がして、ヒューケインは眉間に皺を寄せ、頭をガシガシと掻き、「よかねぇよ―。サンフラワ―が連れて行けって、上司パワ―でゴリ押ししてさぁ―」
さも自分も被害者だと言わんばかりに言ったのだが。
「されたんですよね…?」
 失望を顕わにして、冷淡な口調で言うナズナには通じなかった。
「はい、そぅです…。面目ありません。けど、フィラ自身からの命令でもあるんだよ。何か考えがあってのことなのさ」
「そうですか…。分かりました。ミミリ、しっかり守ってあげるから安心してね」
「はい。すいませんナズナ、それに皆さん。よろしくお願いします」
 ミミリは、一同に向かって深々と頭を下げた。
リミテッドテンの面々は、「こちらこそ」「任せておきな」と応え、快く引き受けてくれたようだった。

 軍港の埠頭エリアには大小様々な軍用高速艇や艦船が接舷されており、上はエアバイクや自律機動工作マシンが往来し、下では物資を詰め込んだトレ―ラ―が右往左往している。
ドッグの整備エリアでは、兵士や整備兵達が忙しなく行き交う姿が見て取れた。
 ヒューケインが、集まったメンバ―を見渡して。
「さて、これで集まったな。メンバ―は六人。ここに居ないリミテッドテンのメンバ―は三名か。No.5とNo.7は軍に”出張中”。<ミストルティン>の巡視部隊に派遣され、アルマ―ク星系の外で<ガ―ベラ8>監視任務中と。あ―…、鬼百合白銀(オニユリシロガネ)は?」