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可愛い彼女

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風呂に入っている間に彼女からメールが来ていた。

「日付け変わる前に言っとくね、大好き」

って、なんだこりゃ。

とりあえず、俺も好きだよ、って返信する。

機嫌損ねるとうるさいからさ。

まあ、すねたとこも可愛いんだけどね。

すると、

「日付け変わっちゃった。嫌い」

って、だからなんなんだいったい。

日付け日付けって、・・・・・・ああ、4月1日、エイプリルフールか。

まあ、イベント好きなところも可愛いんだけどね。

えーと、さて、何て返事すればいいんだ。

俺も嫌いだよ、でいいのか?

嘘だとわかってても、傷つきそうだ。泣かれるとめんどくさいし。

まあ、泣き顔も可愛いんだけどね。

好きと書くか、嫌いと書くか。

迷っていると、じれたらしい彼女から電話がかかってきた。

「なんで返事くれないの?」

「いや、好きか嫌いかわかんなくなっちゃって」

「・・・・・・・・ひどい!」

いきなり電話はぷつりと切れた。

うわちょっと待って、そういう意味じゃなくて。

あわてて上着をはおって外に出る。

チャリでとばして20分。

部屋に上げてくれたらとりあえず有無を言わさず抱きしめよう。

そういうめんどくさいとこも可愛い、なんて言うと引っぱたかれそうだ。

今夜は言葉なんていらないや。


                    -了-





作品名:可愛い彼女 作家名:よしのちほ