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高い空の青い色は

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「そういう意味じゃねぇから! お前はホントに……」

「まぁまぁ」
 これ以上揉めるのを見ているのもなんだし、割って入ってみる。
「綾華ちゃんもそういうのは本人を前に言うことじゃないと思うよ。妄想は口に出さないから妄想なんだし」
「お前の指摘もちょっとズレてる気がすんだけどな」
「でも、考えるのは止められないだろ」
「確かに」
「ふふ……。やっぱり萌える」
 綾華ちゃんが呟く。何が琴線に引っかかるのかわからないが、何やら彼女には彼女にしか見えていないものがあるみたいだ。
「だから! そういうことを言うのを止めろって言ってんだ」
 また、会話がぶり返す。
「だって……、口から漏れるんだもん」
「もう、病気だ、病気。病院行け」
「そんな言い方ないじゃない」
「言われたくなかったら、その言動を何とかしろよ……」
 宗司はため息をついた。

「ちょっくら走ってくるわ。タロ、行くぞ」
 そう言って宗司はジャージの上着を脱ぎ捨て、Tシャツにジャージという、いかにもスポーツしますという格好になる。タロが尻尾を振って喜んでいるのがわかる。
「あ、俺も、帰ろうかな……」
「静流。もし時間あるならさ、部屋で待っててくれね?」
 言いたいことは言ったし、これ以上居てもお邪魔かなと思い立ち上がろうとすると、宗司に呼び止められた。そう言えば、話があると言ってたようないないような……。
「え? いいけど……」
 別にこのまま帰っても、特に何もすることはない……ということはないか、受験勉強をしなければいけないのだが、今日は宗司のことを思って自分を慰めることくらいしか出来ないだろう。
「悪いな」
「それじゃ、私も静流さんとお話ししてよーっと」
 綾華ちゃんが声を弾ませる。
「お前は自分の部屋帰れ。どうせ、ロクな話をしなさそうだ」
「そんなことないです。大丈夫です」
 敬礼のまねごとをする。
「静流も迷惑だったら、放り出していいからな」
「はは。わかったよ。今日はどれくらい走るんだ?」
「いつもと同じ。十五キロくらい。二時間しないうちに帰ってくるから」
「わかった」

作品名:高い空の青い色は 作家名:志木