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無題Ⅰ~異形と地下遺跡の街~

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Episode.13 蒼い結晶



鬨がこの街に来て2日目の朝。
鬨は違和感と共に目を覚ました。身体が物凄く重いのだ。
今までにない身体の違和感に、首をかしげる。
まさか熱でもあるのだろうかと額に手を当ててみたが、いつも通り、人より少し低い体温が手に伝わってくるだけだった。それに、普通に起き上がれるし歩けるので、まぁ特に問題はないだろうと踏んで、身支度を整えようと立ち上がった時に少し立ちくらみがしたが、昨日寝るのが遅かったのでその影響だろうとほおっておいた。
部屋に元々置いてあった時計を確認すれば、丁度日が昇り始めようかとしているような時間だった。
いつも通りの時間帯に、鬨は感心するでも呆れるでもなく、淡々と衣服を整えていく。
マントは羽織らずに、掛けてあるままにしておいた。外では便利だが、室内では邪魔なものでしかない。さらさらと流れる髪を慣れた手つきで手早くまとめると、いつもの髪留めで括り止めた。この髪も随分と長くなったもんだと思いながら、ベッドに立てかけてあった刀を手に取った。そのままベッドの端に腰かけてその刀をさやから引き抜く。
すると、よく手入れされていることが分かる刀身が、まだ薄暗い部屋の中で怪しく光る。
腰の道具入れからその刀身を磨こうと布を出すと、何か白い物体が一緒に転がり出てきた。

「?」

転がり落ちたものを見ると、それは白い箱だった。やけに重い音を立てて落ちたかと思えば、昨日買った「重し」とやらだ。それを見たことで、あることに気がついた。

(そういえば、もうひとつ買ったんだったか・・・)

実は、最後に選んだほうの箱は中身を見ずに買っていたりする。
あとで何が出るのか楽しみの取っておくのもいいかもしれないと思ってそうしたものだった。
気になってしまうと、止まらなくなるのが人間というものである。
鬨も人間である以上、それに逆らうことは出来ない。

「確かこのあたりに・・・」

言ったん刀を仕舞ってごそごそと道具入れの中を探れば、簡単にその白い物体は見つかった。
箱は重しだと言っていた物が入っている箱より一回りほど小さい。3、4?ぐらいの立方体だ。しかし、厚みは無いので鬨が買った「重し」の様なものではないのだろう。何が入っているのかと箱を開ければ、そこには・・・・・

「・・・・・・・・・なんだ、これ」

鬨は、それをつまんで目の高さに持ってくる。
それは、細長い形状をした、何かの結晶の様なものだった。鬨の指で、小指の第2関節の中場ほどの長さで、5角形だ。先が削られたようにとがっているが、鋭利ではないので怪我をすることはないだろう。
その結晶の様なものは、重しと同じく蒼く透明なものだ。尖っていない方は若干緑がかかっている。そこが重しと少し違うところだろうか。
不思議に思って見ていると、横からまぶしい光が差し込んできた。どうやら日が昇ったようだ。
鬨は、それをなんとなしに太陽の光に透かして見る。
その小さな結晶は、重しと同じように光を透かして鬨の顔に蒼い光を落し、キラキラと揺れる。

「・・・まぁ、いいか」

鬨はそれを光にかざすのをやめるとそれを元の箱へと戻し、蓋をした。