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かぐたんのぷちぷち☆ふぁんたじぃ劇場Q2

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先生とボク〜パイロット版



昼休みのことだった。
――ズダダダダダ、
「しつれいしますっ!」
常日頃、廊下は走っちゃいけません、わかっちゃいるけど緊急事態、あいさつもそこそこに書斎の戸を引くと、机の前で先生は所在なさげにぼんやりしていた。逸る鼓動を押さえつけ、少年は跳ねた天パの視線を移動した。積み上げられた教材の脇に、チルドカップの抹茶豆乳ラテと、隣の包みには紛れもないメロンパンの文字。
「……!」
少年は肩に切らせた息を飲んだ。
――オイオイまじかよ、ダレだ今日のセンセの昼メシ当番、ったくデリカシーってモンがねんだから、おかげで俺がコンビニひとっ走り、とんだバタバタバタ子さんだったじゃねーかコノヤロー、
「いっ、いーじゃないスかもーメロンパンのことなんか忘れてっ」
大股に踏み込むと少年は机の上からグリーン基調のパンの包みを取り上げた。
「メロンパン……な?」
顔を上げた先生がぼそりと低い声に呟いた。
「わぁぁ!」
トラウマに触れちゃかなわん、場を繕うように少年は大声でわめいた。
「……ほっ、ほら俺がうぐいすパン買ってきましたからっ」
少年は大急ぎで提げたコンビニ袋にメロンパンをブチ込むと、代わりのパンを取り出した。
「……うぐいすパンは」
ふうと息を吐いて先生が言った、
「実際はうぐいすが入ってないからキライです、」
――そういうつまらないウソで自分を偽りたくないんです、先生は長い髪を揺らしてふいと横を向いた。
「……」
なんだかんだヒトにせっきょーするわりに、この人ときどきしょーもなー大人げなくなるなー、天パの後ろ頭を掻いて少年は思った。
「じゃあ、あんパン……」
「キャラがカブるからイヤですっ」
少年が袋から取り出すや、間髪入れず先生は拒否した。
「……。」
――つか何言ってんだこの人、キャラがカブるとかイミわかんねーんスけど、が、とにかくあんパンじゃお気に召さないらしいので諦めて別の種類を勧める、
「ほらね、カレーパンもあ……」
「カレーはチャツネとオニオンフライ添えてゴハンで食べたい派なんですっ」
――グルメか! 前のめりの突っ込みは心の内だけにしまってぐっと耐え、
「だったらクリームパンっ!」
――コレでどうだっ! 少年がほとんど叩きつけるように差し出した包みにちらと目をやって、
「……まぁ、いいでしょう」
先生は少年の手から代替品を受け取った。
どうやら今度は気合勝ちしたらしい、――まったくやれやれだぜ、まーまだチョココルネorコロッケサンドっつー選択肢もギリ残ってたけどっ、後ろ手にコンビニ袋を探って少年はため息をついた。
やがてもそもそ食い終わったパンの包みを律儀に折り畳みながら先生がぽつりと言った。
「……本当はね、ジャムパンが良かったんですけど」
「……ぇ」
そんないまさら、立ち尽くしたまま少年は呆気にとられた。飲みかけの豆乳ラテを片手に、机に頬杖ついた先生は障子の向こうを見やって遠い目をした。
「ジャム叔父上……」
――なんちゃって、独り言のように呟くと肩を揺らしてくすくす笑う。
「……。」
つーかどんだけオジさん好きなんだろうこの人、空腹に加えてコンビニ往復の全力疾走でぐらぐら倒れそうになりながら少年は思った。


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