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Juno は きっと微笑んだ

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お花見の朝は快晴


「晴れてるよー 予報どおり快晴ですよー」
ベッド寝ていると、直美の声で起こされていた。
「何時なのー」
「7時だよもうー 早く起きて教会に行って頑張らないと、3時にお花見始められなくなっちゃおうよー」
台所からだったから、大きな声だった。大学は始まっていたけど、土曜の晩は相変わらず俺の部屋に直美は泊まっていたから、先に起きて朝ごはんを作っているようだった。
「今、起きるよー」
たしかに早めに頑張って作業しないと、せっかっくのお天気も台無しだった。
「そっちは、叔母さんの家でお花見のようの料理つくるんだよね・・」
パジャマで台所の直美に近付いて聞いていた。
「お昼までは、そっち手伝うよ、お昼から料理で間に合うんじゃないかなぁ・・」
「そうかぁ・・まっ、叔母さんに聞いてみてよ、午前中に買い物とかあるかもしれないから・」
「うん、そうだね・・劉、それより、顔あらってよ、ご飯できちゃうから」
「はいはい、いま」
テーブルの上にはおいしそうなサバのみりん漬けの焼き魚がお皿の上にもう置かれていた。

「劉、自転車で来ちゃったけど、酔っ払ったら自転車は置いていくからね・・あんまり飲まないでよねー」
横に並んだ真っ赤な自転車に乗った直美にくぎをさされていた。もうすぐ角を曲がると教会だった。
「そんなに飲まないって・・」
「いつも、飲む前はそういうくせに・・」
「はぃ、気をつけますよー」
角を曲がって教会の前を通ると、もう隼人さんのトラックが中にとまっていた。
「隼人さん、もう来てるなぁー」
「うん、そうみたい、さっ 到着」
教会を通り越して隣の叔父に家にだった。
「おっ、叔父さん今日はいるみたいだなぁー」
めずらしく叔父の車が駐車場に納まっていた。
「ほんとだねー 叔父さんに会うのってわたし、久しぶりだなぁー」
「俺もだけど・・」
「そうなんだぁ、叔父さんもお花見参加かな、今日は・・」
「あっー そうかも、そういうの大好きだもん、叔父さん・・うるさいぞー きっと・・」
「楽しくていいじゃない」
「そりゃそうだけど・・」
「さっ、挨拶しなきゃ、自転車ここでいいかな・・」
「うん」
自転車を2台並べて、鍵を閉めながらだった。
「おはようございます、劉ですけどー」
玄関のドアを開けて中にだった。
「インターフォン押しなさいよ、あるんだから、ここに・・」
「いいじゃん、親戚の家だし」
小声で言い返していた。
「おっー あがれやー 」
叔父の声だった。
「いいですー 手伝いに行きますから・・」
「お茶ぐらい飲んでから、やれやー 俺も行くから・」
「叔父さんも手伝うんですかぁー」
「ま、いいから あがれって・・直美ちゃんもいるんだろ・・」
叔父が手伝うって言ったのには、すこしビックリだった。
「叔母さんとも話したいから、少し寄っていこうよ、劉」
「そっか、じゃあ、あがっていくか・・じゃぁ、おじゃましますよー」
2人で靴を脱いで家の中に進んでいた。
「早いわねー 2人とも・・」
叔母がお茶をテーブルの上に出しながらだった。
「まっ 座ってお茶でも飲んで・・」
叔父がソファーに作業着姿で座っていた。
「はぃ、おはようございます、いただきます」
2人で叔父の前に座りながらだった。
「叔父さんも手伝うんですか・・」
直美も驚いたらしくて聞いていた。
「手伝いますよー 花見の前にここでじっとしててもあきるからな・・しかし、あの若いの手際いいし、きれいに出来上がったわなー この前少し話したんだけど建築屋の息子らしいなぁー」
「しゃべったんですか・・」
びっくりして聞いていた。
「先週お前らが帰ったあとにゴルフから帰ってきてな・・あの彼女も嫌がらないでよく働いてるなぁー、あのこ成城の病院の子らしいな・・おとうーさん知ってるぞ」
「えっ、知り合いなの、叔父さん・・」
「あっちは 有名人だろ、この世田谷では・・」
大きな病院だからそうなのかって思っていた。
「あんなでかい病院の娘さんが、大工仕事だからなぁー びっくりするなぁー」
こっちは、麗華さんとは海で真っ黒な顔でサーフィンしてたのが出会いだったから、そんな事はあんまり考えたことなかったけど、言われてみればそうだった。
「知り合いって、どれぐらいですか・・」
「会社から電話したんだ・・この前・・」
「麗華さんのおとーさんにですか・・」
「年に何回かは、ゴルフで一緒にもなるぞ」
「へー」
俺も驚いていたけど、隣に座って話を聞いていた直美も驚いていた。
「あの子には内緒で、今日の花見いらっしゃいませんかって誘ったんだ・・娘さんが作ったのも見に来たらいいんじゃないんですかって・・そうしたら、そんな事してたんですかって驚いてたなぁー 知らなかったみたいだな・・来れるらしいから、あとで来るんじゃないか」
「隼人さんと麗華さんは、それ知ってるんですか・・」
「どうだろうなぁー 電話では娘さんに内緒で来たらおもしろいですよってとは言っておいたけどな・・」
「そうですか」
叔父らしくって、笑いながら返事をしていた。
「どうだろうなぁー しっかし、今日も朝早くから、頑張ってるなぁー」
ここから隼人さんと麗華さんは見えなかったけど、外に目をやって叔父がだった。
「直美ちゃんは、なんか、うちのが午前中に買い物付き合って欲しいそうだから・・」
「はぃ、わかりました」
直美が笑顔で返事をだった。
「ごめんなさいね、直美ちゃん・・もう、あとは少しなんだけど・・・それにお料理も一緒に手伝ってもらっていいかしら・・」
「そのつもりで来ましたから、大丈夫ですよ」
「何人になるのかしら・・10人ぐらいになっちゃうかしら・・」
「そうですかね・・」
「大変だわぁ・・・」
「わたしも頑張りますから・・」
直美が返事をすると、大変って言ってた叔母はうれしそうだった。
「さぁーて、やるかぁー あとはペンキ塗るだけだろ・・・朝早く見てきたからな」
お茶を飲み終えた叔父が大きな声を出していた。
「たぶんそうです」
「では、やるかぁー 劉ちゃん・・」
立ち上がりながら、横にあったタオルを手に後ろのポケットに入れながらだった。
「はぃ。じゃぁ。行って来ますね」
叔母と直美にだった。
「劉、麗華さんに、こっちにいるからって、言ってね」
「うん」
直美に返事をして、叔父の後を歩き出していた。
小春日和のいい1日が始まりそうだった。