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道の曲がり角【詩集1】

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時折・・・



時に前に進むことが出来なくなる

時は無情に過ぎていく

足が竦んで動かない・・・

道端に倒れ伏し

もはやこれまでと・・・


泥と血に塗れて

もうこれ以上落ちるところなどないのだと

このまま全てを捨て・・・


そう・・・もうとうに捨てるものすらないのに




だがそんな瞬間にしか見えないものがその時、目に映る


いつからそこにあったのか?

そうだ、それはずっとそこにあったのに見えなかった

いや・・・見ようとしなかったのだ

そこにあったのに・・・


・・・



再び立ち上がる

泥と血と涙に濡れ

動かない足を引きずり

倒れてもそれは終わりではない

終りはまだ見えない



ずっとそこにいても構わないけど・・・そこでそうしていても何も起こらないよ

何も

いいことも。悪いことも。そのことに終わりも・・・訪れないのだと

それでも見守っているよ、どんな時もずっと

そう語り掛ける


手を引いてはくれない

自らの足で立つのを待っている


辛くても悲しくても苦しくても泥と血に塗れても、涙に濡れても

誰のものでもない

それはあなただけのものだから

あなた以外の誰にも触れることはできない

それはただ一つの宝なのだと


作品名:道の曲がり角【詩集1】 作家名:maki