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臨帝小ネタ集っぽいの

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しょたいざみか


*ピクシブにおいてたやつ。


「あのさあみかど。おれおおきくなったら、かっこよくなるかな?」


お弁当のフォークを握りしめた子どもが、甘い卵焼きをもぐもぐと食べながら、子供特有のきらきらした目で問う。
その向かいに座って、同じくお弁当を食べていた子ども・・・名前は帝人と言うらしい・・・が、うん?と首をかしげてみせた。
「なーに、いざくんおおきくなるの?」
「そりゃ、なるよー」
「えー、いつ?ぼくよりさきにおおきくなったらやだなあ」
「んーっとね、にじゅっさいでおとななんだって、せんせーがいってた。いざやはいまいつつだから、あとじゅうごねんだよ」
幼稚園のスモッグに付いている名札には、「おりはらいざや」と丸い平仮名で書いてある。どうやらこっちの子は臨也という名前らしい。
「んー?そしたらぼくは?」
「みかどはー、えっとね、おれとおなじとしだから、いっしょだよ」
「いっしょにおおきくなるの?」
「うん、あとね、すっごくめちゃくちゃとってもやだけど、しずちゃんとかしんらとかどたちんもいっしょ」
「まさおみとあんりちゃんもいっしょ?」
「いっしょだよ」
「そっかあ、よかったあ。ぼくだけおいていかれたりしないね」
のほほんと笑う帝人に、つられて笑いながら、臨也はもう一度問う。
「でね、おおきくなったらおれ、みかどがかっこいいっておもうおとなになるの。だからね、みかどはどんなおとながかっこいいっておもう?」
はしゃいだようにそういう臨也に、そうだなあ、と帝人は首をかしげてみせた。サイモン先生もかっこいいけど、交通安全の旗をもって横断歩道を渡らせてくれる四木さんもかっこいいとおもう。でも、やっぱり一番は、というと。
「んっとね、せるてぃえんちょうせんせい!」
「えー?」
帝人が一番好きで一番かっこいいとおもうのは、全身黒のライダースーツをきて、なぜかいつもヘルメットをかぶっているセルティ園長である。
「・・・おれ、ああいうかっこう、にあう?」
何としてでも帝人にかっこいいといわれたい臨也は、ヘルメットは嫌だなあと思いながらも問い返す。すると帝人はえー?と首をかしげて、良く考えてから、ふるりと首を振った。
「・・・にあわないとおもう」
「それじゃ、いみないよ。おれは、みかどにかっこいいっておもわれたいのに」
真面目に考えてよ!とフォークを握り締める臨也に、帝人はへらりと笑ってみせた。



「んっとね、いざくんは、かっこよくてもよくなくっても、いちばんすきだよ。それじゃだめ?」




ぼんっと一気に顔を赤くした子どもが、うーっと唸って、お弁当のいちごにフォークを立てる。
おれもいちばんすきだよ、つぶやいた声は、帝人の笑顔をさらに輝かせる呪文になるのであった。


作品名:臨帝小ネタ集っぽいの 作家名:夏野