小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

そういえば無駄でした

INDEX|1ページ/1ページ|

 
なんで、なんで、なんで。
 疑問だけが頭の中で生まれる。いい人ぶろうとして失敗した、見るに耐えない大人が、目の前でぐずぐずと何か言っている。それは規則をやぶった私への説教だが、中身なんてまるでない。ただ、私が大人の言うことを守らなかったことにたいする不満を、私にうさばらししているだけだ。
 それでいて、まだいい人であろうとして奮闘しているのだから、失笑しか出てこない。幼い頃から馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、今はもうあきらめた。期待するだけ無駄なんだ、大人って生き物は。
 まだ何か言っている。そり残したこしょうみたいな髭を携えて、馬鹿が何か言っている。一瞬私の意識は疑問から遠ざかり、目の前の大人への侮蔑に染まった。
 馬鹿が。自分の都合ばかり考えて、一体何をえらそうに。なんでこんな腐ったやつの言葉を私が…………。
 すぐに思考は疑問に変わる。なんで、なんで、私だけ。
 規則を破ったのは自分だけじゃない。他にも共謀者はいて、現場は見られている。なのに、呼び出されて、説教という名の八つ当たりは、私にしか向けられていない。
 なんで、なんで、なんで。
 大人の考えなんて分からない。いつだってそうだ。知っていて当たり前みたいな顔をして、子供が知らないと知った途端に悦に入った顔をして、自分は知らないのに子供は知っていると知った途端、知ったかぶりとか言って馬鹿にした顔をする。どんな顔をしているか、こいつらは分かっているんだろうか。一度鏡を見てみれば、大人がいかに薄汚れた生き物なのかがわかるのに。
 大人はいつだって知ろうとしないんだ。善人じゃない自分の本当の姿とか、自分の言葉の理不尽さとか。大人が何故知ろうとしないかなんて、疑問にするだけ無駄だ。大人が何を考えているかなんて、理解しようとするだけ無駄だ。
 ああ、そうか。
 大人って、こういう生き物だった。

 考えるだけ無駄でしたね。
作品名:そういえば無駄でした 作家名:こたつ