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高橋 レイ
高橋 レイ
novelistID. 22468
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愛されウサギと愛されたがりのクマ

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南 沙織(ミナミサオリ)

ピンチです。
昨日電話がかかってきて

「今度一緒にでかけようよ」
「うん、いいよ・・・でも・・・」
「なら良かった。じゃ、お休み」

プーーピッーー

なんでこんなことになってしまったのでしょう

今までメールも電話も無くて不完全炎症したと思っていた彼から電話がありました。

しかも今、彼を待っているところです。


「おはよ、沙織」
「おはよぉ、霧夜クン」

午前九時 公園で会うことにした。
私の住んでるところからバスで2時間もかかった。

それにしても、白神 霧夜(シラカミ キリヤ)私の彼。だけど、3年前とは身長も身だしなみも、服装なんて今何もカッコいいの見たことないよ。

もろタイプなってる!


「今日どっか行きたいところある?」
「特には無いよ」
「なら、俺と一緒に来てくれる?」
「うん、いいよ」

ピンチです。別れたと思っていたばかりにこないだ

「オレ、沙織さんの事ずっと前から好きでした。付き合ってください。」
「ありがとう、でも、答えは考えさせてもらっていい?」
「なら、来週の金曜日に」
「ありがとう」

完璧にこないだのOKするところだった。危なかったぁ
でも、彼が居るのってこの町じゃなかったけ?

「どうしたの?」
「うんん、なんでもないよ。霧夜クンこの後はどうするの?」
「沙織の好きそうな店見つけてからそこ行こ」
「いいよ、こっちの方はあんまりこないから」

ゴメンね、霧夜クン。君のこと裏切るとこだった自分を許して!でも、なんでいきなり呼び出したんだろ?不完全燃焼だと思ってたのに・・・

でも、最近会えなくて気持ちが揺らいでたのがバレたのかな、それとも・・・


「ねぇ、付いたよ」
「え!?あ、うん・・・」

いきなり話しかけられたので変な声を打知ってしまった.
しかし、彼は気にせず笑ってみせた。

だが、少ししたら悲しそうな顔になった。私、なにかしたかな?不意にさっきまでの回想が頭を過ぎる。もし、あのときの告白を見ていたとしたら、誤解してるかもしれない!

とにかく聞いてみなくちゃ!

「霧夜クン?どうしたの?」
顔を少し上げて見上げると彼は少し涙目になっていた。

「き、霧夜クン!どどどど、どうしたの!?」
「わ、悪ぃ、その・・・」

完全に泣き出してしまった。なんで、なんで泣いているの?わかんないよ!
何もできずにあたふたしていると彼から声が降ってきた。

「俺ん家、この辺だから寄っていかねぇ?てか、よって。話したいことがあるから・・・」
「も、もちろん大丈夫だけど・・・」

軽く泣きやんだのか彼は私をいつもと変わらない声で家に入れてくれた。


かくして今、彼の部屋です。どうしよう、いきなり「なんでさっき泣いてたの?」とかぜぇぇぇたい聞けない。話してくれるの待つしかないの、かな・・・

「あのさ、沙織。」
不安そうな声で私の名前を呼び見つめる。
「どうしたの?」
私は、向こうが話すまで話題を降らないようにすると決めた。

「オレ、オレ、・・・ううぅ・・・」
「え!ちょ!大丈夫?どうしたの?具合悪い、それとも・・・」
「沙織と・・・」
今なんか言ったよね・・・名前しか聞こえなかった。
「なんて・・・言っ「お前のことマジで今も好きなんだ!」」
「え!?」

いまさらそんなこと言わなくても、

「この間、沙織が他の奴にコクられてて、不安になって、会いたくなって・・・」
やっぱりこの間のか。
「だから、だから・・・・俺」

とっさに私は彼を包むようにしてふわっと手を回して抱きしめた。怖くなくなるように、私のこと信じてくれるように、と。

「大丈夫、だよ。うちは霧夜以外、好きにならないよ」
軽く微笑んで言うと彼の方も抱きしめてくれた。


これで、仲直りだよね。

霧夜が家まで送るというので送ってもらっていた。日も落とかけて空が綺麗だ。この前の本当の事言ったほうがいいよね。

「実はね、霧夜クン。この間のはうちのセンp「あ~沙織チャンだぁ~」」

後ろから、声をかけられて振り向くと、彩先輩だった。霧夜クンさっきも今もごめん。ついでにこの人が確信犯だったりする。

「あれれぇ~ほお~先輩ちょっと邪魔しっちゃったかなぁ~」
「えぇ、まぁ・・・」

ちょっとじゃありませんよ。だから彼氏できないんでしょ?このKY

「あ、あの、こちらは?」
「あ、ゴメンね。うちの「リア充潰しの彩で~す☆」」
「あ、そうなんですか。なら、俺らはあなたには潰されませんよ」

わかってる。と言った顔で彩先輩は後ろを振り返った。

「雄ク~ン早くしなと置いて行っちゃうよ~」
まさか、いやそのまさかだ。この展開からして雄先輩って彩先輩の彼氏!?てか彩先輩恋人いたんだ・・・

「お前なぁ、人の邪魔はするなよ、悪かったな」

雄先輩が常識のある人でよかった。
「雄先輩、早く彩先輩連れて行ってください。」
「ホント、悪かった。ごめんな」

雄先輩がマジの天使の見えたよ恋のキューピットってみじかに居たのね。 

「そういえば、この間の告白、OKしたの?」

この、直球娘が。ちょっと黙ってたらどうなの?
3人が一気に沈黙した。だから、この先輩に会うのは嫌なんだ。

「やっぱり、頭良いだけじゃダメだもんねぇ」

早く帰ってくれないかと雄先輩を見る。先輩は小さく「わかった」と言った。

「彩、うちにチョコの菓子があるんだけど・・・」
「なら今すぐに行こう、バイバイ2人とも、」

嵐のように去っていった。なんと恐れしい先輩だろう。

「あのさ、霧夜クン?」

霧夜クン。フリーズしてるよ!大丈夫?

「ゴメン、ゴメンね。」
「もう、大丈夫だって」
「でも、」

歩きながら軽く話した。さっき泣いていた理由が告白のシーンを見たのと新しいメアドを教えるのを忘れていたことだった。そんなことと思ったけど、さすがに連絡つかなかったらこっちが嫌だもん。

「ありがとう、私の事心配してくれたんだよね」
「一応、それと・・・」

真剣な眼差しに私は目を瞑った。

「うん」
「さっきの先輩には気をつけてね。」
こういときはキスでしょ。まったく

彼が帰ろうとしたとき

「あ、忘れ物した。」
「どうしたの?」
「愛されすぎてて1人で沙織、死んじゃうから、おまじない」

キスをされた。

突然すぎてびっくりしたけど

「うち、霧夜クンが居るから死なないもん」


きっと今顔が真っ赤なんだろうななんて考えていた。