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自宅に幼女がやってきた1

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朝、目が覚めたら、全裸の幼女に押し倒されていた。

「……」
「……」
ちゅんちゅん。
窓の外から、毎朝来る黄色い鳥が餌をねだる声。
しゅんしゅん。
台所から、昨晩タイマーをかけておいた炊飯器の音。
すうすう。
そして目の前から、幼女の呼気。
「……」
「……」
 これは夢か。
 と、普通なら思うところなのだが、先天性重度弱視障害者の僕は見間違いだと思った。
 天井にポスターを張った覚えはないのだけれど、とりあえずこれは見間違いだろう。
 空気中に舞う埃なんかが陽光に反射しているのが上手い具合に重なってこんな感じに見えているんだろう。
「っくしゅ」
「……」
 顔を少しそらしてくしゃみをする幼女。
ずず、と少し洟をすすってから、彼女は長い睫を乗せた大きな瞳で僕をじっと見つめた。
 困ったな。
音も聞こえてしまった。
 ついでに顔をそむけた拍子、ミルクティー色の長い髪が僕の頬にあたってすごくくすぐったかった。
 さらに言うと、目が覚めてきて彼女の髪から香るコロンのような甘い匂いも感じてきた。
 ええと、ここまでで五感のうちのいくつまで埋まったっけ。
 とりあえず現段階で言えそうな事は、

 これは夢ではないらしい。