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神無月の饗宴

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おびただしい数のヘビやカエル、ミミズ、トカゲ、ムカデ、ヤスデといった生き物が空から落ちてきている。大きな岩にもたれて坐り込んでいる私の上にも容赦なく降りかかってくる。それでも、もう動くことはおろか手を動かす気力もない。いつもなら見かけただけでも大騒ぎしているというのに。

 そういえば、同じような場面を読んだことがある。たしか・・・村上春樹の『海辺のカフカ』だ。小学校の遠足で小学生たちは不思議な世界に踏み込み、すぐに帰還できたのだが、ひとりだけ戻って来れず数日間そこにいた。その子が中年になって無意識の中でそういった生き物を街中に空から降らせた、というもの・・・それはしかし、小説の中の作られた出来事。

 今、私が直面している出来事は夢でも作り事でもない。おぞましい生き物が私の頭に、からだに、足の上に落ちてきて、もぞもぞと動きまわっているのだ。
 からだは疲れ切っていて少しも動かせない。目も開けていられないほどだが、意識だけはまだ興奮が冷めず、眠りに落ちることもできないでいる。
作品名:神無月の饗宴 作家名:健忘真実