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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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魔法使いの夜

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「ジュン、ジュン……」
 おばあちゃんとさちこさんと、それからケン、ノブ、ユウジ、ヤス、トシ……みんなの声がまざりあって聞こえてきた。
 病院のベッドの上だった。
 意識ははっきりしたけど目が腫れているのでよく見えない。でもみんな絆創膏と包帯だらけなのがわかる。かすり傷なのはトシくらい。
「よかった。気がついたよ。もう、寿命が縮まったよ」
 おばあちゃんは涙ぐんでいた。
「ごめんね。おばあちゃん」
「おばあちゃんのかわいいジュンがこんな顔になっちゃって」
 鏡をみたら、両目の瞼が腫れていて、顔の右半分も腫れ上がって、覆っているガーゼの隙間から紫色になっているのがみえる。
「ほんとだ。ひどい顔」
 おかしくて笑ったら痛かった。
「さちこさんは大丈夫?」
「かすり傷よ、こんなの。今までなんどもあんな経験あるからね」
 二針ぬったそうだけど、皮を着ていたせいか、あんまり深くナイフはささっていなかったんだって。
 ドアがあいて、ケンのおじさんがはいってきた。
「やあ、ジュン君。気分はどうだい。おかげで犯人を逮捕できたよ。ありがとう」
 それからみんなのほうをむくと、同じようにお礼をいった。とくにユウジは最初に空き別荘にかくれていた犯人をみつけたので、おじさんは感謝していた。
 ユウジも顔に青あざがあって、手には包帯を巻いていた。
「あらためて君たちには署長から感謝状が贈られるからね」
 いつのまにかさちこさんの姿がない。おまわりさんが苦手なさちこさんはこっそり病室からでていったんだ。
「さて、ここからはただのおじさんとしていわせてもらう。ケン!」
 ケンはびくっとして気をつけの姿勢になった。みんなもつられて右へならえになった。
「まったく。ひやひやしたぞ。お父さんとお母さんにあんまり心配かけるなよ」
「はい」
 ケンは神妙な顔で小さく返事をした。
「でも、村のためにがんばったんだから叱らないようにって、おじさんがよく言っておいたからな」
 するとケンの顔がぱっと明るくなった。
作品名:魔法使いの夜 作家名:せき あゆみ