小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ふしぎにっき

INDEX|2ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

1.右目




 映画に関わる怖い話でよく見かける話というのが、映画の撮影途中で奇妙な影が映りこんだとか、入っているはずのない声が入っていたとかだ。
 話題作りのためではと疑う声も聞こえてくるけれど僕は実際あると思う。僕も実際あった。すごく困った。

 大学二年生の夏のことだ。
 大学生の夏休みは長い。その年も三人の中で一人大学生の僕は七月の半ばには夏休みに突入した。その時はアルバイトをしておらず、暇人な僕はネタを出せと命令されて、暇があればパソコンに向かっていた。
 大雑把なテーマはホラーだとTに指定されていて、僕は猛烈に思いつく限りの怖い話を書いていた。
 僕は普段幽霊が見えないが、幽霊を見たことがないわけでもない。怖い話のメジャーどころは一通りは体験していると思う。
 僕にとっては比較的やりやすいテーマで二週間ほどで実話も創作話も含めて30ほど小説のような、シナリオのようなハンパなネタを書いた。
 同時にネタが30を超えたあたりで僕の右目に変化が現れ始めた。 最初は右の視界の端に黒い影が映りこむところから始まった。パソコンに向かっている時間が長くなっていたのと元々視力があまり良くないこともあり、僕は特に気にも留めていなかった。
 だが黒い影が視界に占める割合は日に日に大きくなっていき、眼科にいかなければと危機感を持ったある日の朝、目を覚ますと完全に右の視界は闇に包まれていた。
 かかりつけの眼科に赴き診てもらっても、原因不明を言い渡されて、左目だけの視界で僕はしばらく生活をしていたが、不安はなかった。
 どう考えても目が見えなくなれば大きな病院にかかるのが普通だが、僕には思い当たる原因がネタ作りしかなかったので、非現実的かつ無謀な方法だが、できたネタだけ友人に渡してとにかくネタ作りから離れた。日本からも離れたくて右目が見えないくせに僕は一週間海外に逃げた。

 何が良かったのかは知らないが、すぐに右の視界は戻り、その後僕は元気にTとMとの活動に復帰した。


作品名:ふしぎにっき 作家名:高須きの