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D.o.A. ep.1~7

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Ep.2 得難き日々





―――世界の始まりのお話をしましょう。


世界の原初は、空と、陸と、それをかこむ海とがありました。
やがて、生き物が増え、力のみがすべての世界となり、安寧とは無縁になりました。
争い、疲れ果て、それでもなお、争うことをやめられない。

そんなある日、天から、十人の神々が、混沌の地に舞い降りられたのです。

彼らは、まずはじめに、争いを力によって鎮めました。

神々のうちでもっとも高い身分の「ロヴァルティオン」は、陸をいくつもの数に分けました。
「エルザード」、「ラルグレア」は、昼と、眠れる夜をもたらしました。
「ウェンディアス」、「シドム」は、法と秩序をつくり、分別を守るよう、みちびきました。
「ミロド」、「ジェダ」は、慈しみの心の大切さを。
「セルファ」、「ロドイ」は理性と豊かな感情の素晴らしさを。
「エメラルダ」は育むことの貴さを。

彼らは、おのおのの力をふるい、混沌の地を善きものにするべく努めたのです。

そうして、かれらの教えを受け容れ、秩序ある世界となった頃。
最後に、彼らは私たちの祖先に、不思議な力をさずけたのです。

―――そうです。今、「魔術」と呼ばれ、誰もが持つ力ですね。

ところが、その力は、善きことを行うためだけでなく、悪しきことを行うにも長けた力でした。
その力を以って、人々はまたしても争いを始めてしまったのです。

しかし、その時、彼らは、かつてのように争いを止めることをしませんでした。
なぜだと思いますか?

それは、もう人々の中には、彼らから教わった、たくさんのものがあったからです。
その、彼らがさずけたものが、人々に、自分たちのおろかさを気付かせると、彼らは信じた。

はたして、戦いに疲れた人々は、自分たちの力で、争いをやめることを選びとることができました。
人々は、神々の助けを得ずとも、平穏を手にすることができたのです。

争いの火種が尽きたわけではありませんでした。
「最初の平和」はつかの間に終わります。
けれど、人々は、「平和」を維持する方法を、血を流しながら少しずつ学んでゆきました。

そうして長い時間をかけ、彼らの助力を必要とせずとも、人々はちゃんとやってゆくことができるようになりました。
彼らは、指導者という立場を終え、世界の表舞台から姿を消しました。



作品名:D.o.A. ep.1~7 作家名:har